戦場のピアニストのレビュー・感想・評価
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かけがえのない日常
大戦によって、それまでの暮らしを奪われ迫害されてしまうと人として生きてはいけない。
家があり、仕事があり、人との触れ合い、
花と緑と音楽、ご飯、お風呂…。
人が心身共に健康で暮らす為に必要なもの。
これら全てを失った主人公が、それでも生き延びようとする強さは、誰もが持つ本能なのか、それとも主人公の精神力なのか?
日頃人との関わりで疲れる事があっても、
この映画のように、荒れ果てた街で一人ぼっちを味わうくらいなら、煩わしい人間関係も幸せのうちかな。
戦争になった途端に敵に対して残酷な行動を取るけれど、主人公を救ったピアノの旋律。芸術&才能は時に雄弁に語るよりも人の心を動かすのだと改めて感じました。
元日の地震も思い起こされ、日常のありがたさを実感します。
だいぶつらい
だいぶつらい。
どうしてユダヤ人というだけであのような命令をされるのか。
あちらこちらに死体が放置。
なにかしたわけでもないのに殺される。
車椅子から立てないおじいさんがベランダから落とされる。
地面に落ちた缶詰を食べる。
こんなことが本当にあったんだろうか。
この世の地獄ですわ。
火垂るの墓でも似たようなこといってますが、
戦争が無ければドイツ兵だって人を殺すこともないし、
ユダヤ人が迫害されることだってなかった。
それにしてもユダヤ人の迫害はひどすぎる。
本当に戦争はだめです。
16.12.11
【対比の妙】
ピアニストはウワディスワフ・シュピルマン 音楽は ヴォイチェフ・キラール
戦場のピアニスト
神戸市内にある映画館「シネ・リーブル神戸」にて鑑賞 2024年1月1日
原作本を入手
ちょっと気になったのですが、ショパンはポーランド生まれの作曲家ということです。
ご存知ないかたおられるのではと察しますが
ピアニストの名前はウワディスワフ・シュピルマン
鑑賞しているうちに、あることに気が付いたのです。
クラシック音楽を好む生活40年以上。そのなかで現代音楽を好むようになり
ポーランドの現代音楽に強く関心を抱くようになりました。
ヴォイチェフ・キラールという名の現代音楽作曲家です。映画音楽の作曲も
じつは「戦場のピアニスト」の曲を作曲しておられ、以前からよく聞いていました。
キラール作品集などのCD(海外輸入盤)に入っています。
ファゴットかオーボエのような木管楽器で演奏されるメロディ。あまりもいい曲とは思えないのです。朗らかさなどが足りないような感じです。キラールのほかの作品は素晴らしいのになぜだろうと。映画を鑑賞すればわかるかなと。ただ、そんなにタイミンぐよく上映されているわけがありません。いったん諦めたのですが、今回は再上映となりましたので、理解できたのです。
この映画のストーリーはあまりにも悲しいユダヤ系住民殺害であった。どうりで朗らかなメロディだと合わないんだろうと。
キラールが作曲した作品で好みなのは「orawa」という作品です。どうゆう意味か調べたところ、ポーランドのある田園地帯をさしているんだとか
弦楽器だけで演奏されているもので、同じメロディを繰り返しますが、少しずつ変化しながらおおきくなっていくイメージのもの
演奏時間10分程度。最後に「ヘイ!」とみんなで掛け声を上げるという作品です。とっても楽しい曲
原作本を開いてみたら、ルービンシュタインの名前がよく登場します。おそらくシュピルマンは接点があったのでしょうね。
実は20世紀を代表するピアニストです。
ルービンシュタインシュタインはもちろんショパン演奏家ですが、じつは多方面で実績があります。
わたしは数えきれないほどのCDを所有していて、演奏の素晴らしさに圧倒してます。
例えばロシアのラフマニノフ作曲した「パガニーニラプソディー」のCDです。
余談となってしまいました。映画に戻ります。
この話のなかで、いちばんスゴイシーンは、シュピルマンを救ったドイツ将校の場面
ここが異なっていることに気が付きました。
ショパン作曲 夜想曲嬰ハ短調 原作本にはそう記載されていますが、
映画館で聴いたときには「ショパン作曲 バラード第1番作品23」です。しかも一部短縮演奏
いずれもショパンの名曲として知られますが、けっこう重要なことではないでしょうか、とかんじました。
この時期にリバイバル放映されることに意味がある映画
今年417本目(合計1,067本目/今月(2023年12月度)18本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
実は古い作品であることは知らず見に行って「作品リスト」を見たらそうなっていたのですが、だからといって帰るわけにもいかず見た作品です。結果としては良かったなというところです。
※ ミニシアター中心に4Kリマスター版で放映されていますが、ミニシアター中心の日本では4Kにおいついていないため結局「当館は2Kです」になるので、余り意味はなかったりしますが…。
まず、史実として実在した人物であり歴史上の事実を参照した映画なのであることないこと加えることはできず、良いことも悪いこともありのままに描かれます。ここは好き嫌いあるかなと思いますが、ことこのタイプの映画(ナチスドイツ関係、日本の先の大戦関係)はそうしないと歴史認識がおかしくなるので仕方がないというところです。
いわゆるユダヤ人の迫害事情(ホロコースト関係)を描いたドイツものの映画で、内容の細かい部分はともかくもこの事実自体は小学社会ですら習う内容なので理解がかなり容易である点は好印象です。一方、今回のリマスター版復刻上映はあくまでも「復刻上映」の扱いで「プログラム化されているのではない」ようで(換言すれば、いつからやりますよ、みたいに何か月も前から予告されているのではない、ということ)、私がみたときは「パンフレットの扱いはありません」でした。もっとも、古い時代の映画ですし最悪ヤフオク等でも購入できると思いますが…(あるいは、パンフにこだわらずともこのレベルの映画が述べるドイツの当時の事情ということであれば、どこの本屋にもおいてある)。
採点に関しては特に気になった点まで見当たらないので減点なしフルスコアです。
なお、課金が必要になりますがアマゾンプライム等にあることを確認しています。どうしても当時の事情「すべて」を理解しきることは難しく、復刻上映ということは2週間もすれば消えてしまうと思いますので、字幕で追いきれなかった部分はそちらで補完するという手もあろうと思います。
戦争の悲惨さ、音楽素晴らしさ
私が文にして書くと物凄く薄く軽く感じてしまいます…
ユダヤ人だからという理由だけで簡単に殺してしまうドイツ兵。
家族と離れててしまって隠れながら孤独に生きるシュピルマン。
だが最後のエンドロールの演奏でシュピルマンも観ている私も救われたような気持ちになった。
映画館にも関わらず画面の観客と同じくスタンディングオベーションしそうになった。
平和な国で映画館で映画を観れるような状況の人間なんかになにがわかると当事者の方は思われるでしょうが、この時代の今この瞬間にも戦争が行われているという事実。戦争が無くなる事を願わずにはいられません。
私にはこのくらいの評価が妥当だと感じる。
日本公開時、観ていなかったので鑑賞してみる気になった。ドイツ占領下のポーランドで、ユダヤ人がドイツ軍人により虫けらのように扱われ、虐殺されていく。事実だろうと思うが、私はここ数年ユダヤ人が被った悲劇に同情はするが、関心・感動を持たなくなってきている。逆に虐待するドイツ人に関心を持つようになった。同じ人間なのに、何故差別するのか。戦後、良心の呵責に苦悩することはないのかと。
ポーランド出身の名ピアニストと言えば、アルトゥール・ルービンシュタインだ。この映画の主人公と同じユダヤ人でショパンが十八番だった。
ピシュルツマンの名はこの映画で知った。ポーランド国内では有名であったかもしれないが、国際的には無名だと思う。たまたま、彼の体験が珍しく幸運だったので映画になった。ポーランド出身で同じくユダヤ人の監督が執念で撮ったから、気合が入っていたのだろう。いろいろな映画賞を受賞している。先に書いたようにユダヤ人の悲劇には飽きてしまい、私にはこのぐらいの評価が妥当だ。
マストで観ておくべき映画
4Kデジタルリマスター版リバイバル公開で初観賞。
今の今まで観てなかったのを後悔するぐらい、今まで自分は何してたんだと思うぐらい、名作感あります。
『シンドラーのリスト』みたいに絶対に観ておくべき映画だと思うのと、
『シンドラーのリスト』に空気感が似てて、暗すぎず明るすぎず観やすかった。
また『シンドラーのリスト』が観たくなりました(笑)
『アウシュビッツのチャンピオン』で、ナチスにボクシングの腕前を気に入られ…みたいに、
ナチスにピアノの腕前を気に入られ…みたいな話かと思ったら、
当時のナチス統治下のポーランドの様子に重点を置き、ナチスの迫害を生き延びた、あるピアニストの半生。
この映画は、ピアニストのウワディスワフ・シュピルマンの自伝を映画化したものだそうです(僕は読んでません)
意外な事に、ピアノの演奏シーンは、ほとんどなく、そこが逆に良かった。
映画的にも面白かったけど、当時のポーランドの様子を知る資料として興味深かった。
あと、エイドリアン・ブロディの演技が素晴らしく、苦手な俳優だったけど、かなり見直した(笑)
ポランスキー監督も同じく苦手だったけど、同じく見直した(笑)
観てない方、マストですよ!
意味もなくどんどんユダヤ人を殺していくドイツ兵
戦争は無くならない
どれだけ平和を願っても戦争は無くならない。過去の出来事から何も学んでいない。
人は(生命の大切さ)を本能的に知っているはずなのに人間同士殺し合うのは何故なんだろうか??
僕も戦争が始まれば誰かを殺すようになるのだろうか??もしくは自衛隊が敵を殺すのを見て喜ぶようになるのだろうか??
期待度◎鑑賞後の満足度○ ロマン・ポランスキー監督が映画化したかったのはよく分かる。でもそれ程感銘を受けなかった。
戦争の歴史はみんな自分ごととして捉えなくちゃ
ただただ生き抜くことがこんなにも難しいなんて。
決して納得のいく理由があってされたわけではない迫害。つまり明日は我が身かもしれない。ある日突然自分の暮らしがこうなったら……そう考えると身の毛がよだつ。戦争なんて何があっても絶対にしてはならない。それを忘れちゃいけない。とても観ていられないシーンも多く何度も目を覆ったけど、後世にずっと残していきたい、いや、残さなきゃならない映画。
一方で、『生きる』ことさえ諦めなければいつどんな風に好転するかわからないからどんな時でも希望を持つのをやめてはいけないことを教えてくれる作品。
潜伏中にドイツ軍将校に見つかってしまい、言われて演奏した曲がピアニストの魂の叫びとでも言わんばかりの激しさでこちらの魂が揺さぶられまくり。これまで受けてきた仕打ちへの抵抗、この後すぐに待ち受けているであろう自身の死、人生をかけた最後の演奏と言わんばかりの激しさ。あとで調べたらショパンの『バラード1番』とのこと。バラードって……。
完全なるフィクションだと思って観ていたら最後の最後に実話を基にしたお話だと知った。
いくらピアニストでも長年潜伏生活していて突然リクエストされてあんな風に指は動くのかしら??
パルムドール作品と相性悪い私だけど、この作品は文句なし🌟
想像と違った
こんな辛いストーリーだったのか、、
ナチスの話ってことすら知らなかった。
主人公はピアニストだったがユダヤ系だったため迫害を受ける。
ユダヤ人は腕章をつけなければ外を出歩けず、次は退去を迫られユダヤ人だけの街を作られそこから外には出られず、終いには列車に入れられ、、
主人公は乗らずに済んだけど、家族は全員殺されちゃったんだろうなぁ。
車椅子のおじいさんがベランダから落とされるシーン、外の壁から中の壁に食料?を運んだ子供が殴り殺されるシーン、家族6人で1つのキャラメルを分けて食べるシーンが忘れられない。。
そしてこの感想を書いている時に気付いたのだが、あれがベルリンの壁だったのか、、。授業で習ったが、中があんな悲惨な状況になっていたことは知らなかった。
主人公シュピルマンを助けたドイツ兵良い人だったな。
名前も知らなかったから助けられないのは悲しかったが、それが戦争か、、。
最後ドイツ兵から貰ったジャケットを着て外に出た時、デッドエンドか、、と思って落胆したが生きててよかった。ラスト演奏シーンは泣けた。
プーチンと金正恩に見せよ。響かないだろうが。 独裁国家のトップがそ...
エイドリア・ブロディが好きになるきっかけとなった作品
ストーリーの中盤はユダヤ人が団結して暴動を起こすのにシュピルマンは冷ややかにゲットーの外で見つめている、この光景がどうも納得いかなかったのです。しかし、途中で「これは反戦をメインテーマにした映画ではない!」と気づき、彼の究極の生への執着に対し徐々に惹かれていきました。ユダヤ人迫害の映画ならいくらでもあるし、反戦色や残虐性を訴えたものも数知れないくらいだ。どんなに惨めな体験をしても名誉ある死を選ぶわけでもなく、臆病者の烙印を押されようが、どん底にあっても生きる希望を持つことに感動しました。
しかし、実在のピアニストであることを知っていると、「何とか指を怪我しないように」とか「長い期間のピアノのブランクがあると後が大変だぞ」とか余計なことを考えてしまい、ピアノの置いてあるアパートのシーンでは、何とか弾かせてあげたいと祈るような気持ちになってしまいました。
好きなシーンはドイツ将校から食料を分けてもらうところで、缶切りが入っていたところ!細かな描写ではあるが、演奏を聞いた彼の感謝の念がよく伝わりました。。。
【2004年2月映画館にて】
ユダヤ人が何か悪いことをしたのか?
なぜこんな目に遭わなければならないのだ?そう憤りながらドイツ兵に理不尽な暴力を受け仕舞いには皆殺されてしまう。死刑囚より酷い扱いだし呼び止められれば死の恐怖だ。早く死んだ方がマシなのか?僅かな希望を持ち極限のストレスと飢えを味わいながら生きながらえた方が良いのか?終戦まで生き延びられた人は地獄も見ただろうけど本当に運が良かった。この主人公は運もあるけどピアニストだったから助けられどうにか免れたのだと思う。でも数年弾けなくていきなりあんなに指は動かなかったはず。ピアノが偶然ある部屋に匿われた時も葛藤だっただろうね。彼にとってピアノを弾くことが悲しみを紛らわす唯一の方法だっただろうから。
戦争は絶対にしてはならないし、加担してもいけない。今のロシアの暴走を世界が協力し合って止められないものかと思う。
2度目の鑑賞だけど戦争が現実味を帯び前回より心が揺さぶられたように思う。
生きることの意味と人間の残酷さ
事実は小説より奇なり、の如く、事実は小説より残酷でした。
映画で衝撃を受けた私は、映画の脚本ではなく、本人が書いたものが日本語に翻訳されたものを購入して読みました。
そして、さらに衝撃を受けました。事実は映画(原作本)よりも恐ろしく、人間の残酷さを実感しました。結婚後旦那に読ませたら、あまりの残酷さに途中でリタイヤしていました。
映画ではピアノも演奏されますが、ピアノがあれほど寒々しい旋律に聞こえたことはありません。
残酷で悲しい映画ですが、人のやさしさも垣間見える映画でもあります。
やさしさと残酷さを合わせもっているのが人間なんですよね。
なかなか映像化するのが難しい内容なのですが、そこを薄くならずに映画化できたのは本当にスゴイと思います(監督ロマン・ポランスキーだからかな?)。
映画見ていて実際に自分がその場所に今いるような錯覚にすら陥りそうになり、恐怖を感じながら最後まで見ました。音もリアルに響いた記憶があります。
生きることの意味と人間の残酷さについて、改めて考えました。
人間のさがとして、自分だけがよければ良いという感情は誰でもあると思うんですよね。
いじめとかそうじゃないですか?、見て見ぬふりする人もそうですよね?
ユダヤ人迫害って、実際に関係していたドイツ軍関係の人たちも、すごくそれと似ているんですよね。
みんな傍観者というか、「任務を遂行しただけ」という意識が強くて、人を殺したり迫害をしたという意識が非常に低いというか、「無い」のです。
自分は収容所へ運ぶための列車に人を何人運べるかを管理した。
自分は人数と名簿からリストを作成した。
などの、国家からの任務を遂行をしたという意識しかない。
学校での集団のいじめや、国家命令の恐ろしいところって、そこですよね。
人間の思考を奪う。
面倒だから傍観者になれるし、自分さえよければいい、という感じ。たぶん迫害も同じ。
ヒトラー政権時、レジスタンスのため地下組織で活動した人たちを尊敬します。
私は傍観者になってしまう人だと思うので。
同じ背景の映画としては、シンドラーも有名ですが、私には戦場のピアニストの方が胸に響きました。どこが違うのか?、もう一度シンドラーのリスト見てみよう。
映画を見る前にもユダヤ人迫害についてはアンネの日記や、アンネをかくまったミープさんが書いた本も読んでいました。
TVも見ていました。
(中学生頃に、NHKで放送した「キティアウシュビッツに帰る」というイギリスのドキュメント)
今まで見たもの以上の衝撃(ショック)が、この映画にはありました。
2003年に映画館で見ました。
仕事関係の研修会(という名の忘年会)で鑑賞券が当たりました。
1枚だったので珍しく一人で鑑賞。
当時は夜遅くまで働いていたので、最終上映にすべりこみ、良さそうなタイトルの映画を選んだつもりだったのですが、タイトルとは違いました。
生きていると辛いこともあります。
今でもときどき、生きることの意味を考えることがあります。
生きたくても生きることができなかった、多くの方々のことを忘れないようにしたいです。
悲しい映画なのですが、何故か、また見たいなと思える映画です。
希望の光が少し差し込んでいるような映画です。
缶詰を抱えて歩く姿
舞台は第二次世界大戦下のポーランド、ワルシャワ。
ナチスドイツの侵攻によって、ユダヤ人への迫害は加速していきます。
初めて鑑賞した際は知識もなく、ただただナチスドイツによる侵攻がどんな結果を招いたか、ユダヤ人がどんなに酷い目にあったのかを目の当たりにする作品だと思っていました。
その衝撃を胸に、今回この作品をもう一度見て
本当に伝えたいことは別のところにあったと気がつきました。
昨日まで誰に許可されるでもなく営んでいた生活が、徐々に侵されていく恐怖。
道端に転がる子どもや老人の死体。
ドイツ兵の独断で順々に人が撃たれていく中、逃げることもできずただ死を待つしかない時間。
飢えていても食べ物を探しにいくこともできない主人公。
缶詰を抱えて歩く姿が目に焼き付きました。
作中、余計な綺麗事は一切なく、ただ生々しく
"差別というものへの恐怖"を思い知らされる作品でした。
自国を愛し、自分のルーツに誇りを持つことは構わない。
しかしそれは行き過ぎると、自国や自分自身を正当化するために異なる人種や宗教を持つ相手への否定に繋がっていきかねない。
ドイツ将校の彼が、シュピルマンの奏でるピアノの音色を聴いて最後の救いの人となったように
個人に目を向け、耳を傾けることで自分の中の差別と向き合ってみることが最初の一歩なのではないかと思います。
また、主演のエイドリアン・ブロディの演技力にも脱帽です。
ピアニストという芸術家の繊細さを身に纏う好青年が
痩せ細り、徐々に正気を失っていく姿がとても切なく
史実に基づいたストーリーをよりリアルに感じさせてくれました。
この撮影後、彼は相当な鬱状態に悩まされたというインタビューを読みました。
演技のために必要以上に心身を削ることはあまり良いことと思いませんが、それだけに彼の演技が神がかっています。
監督の問題もあり、あまり表立ってオススメはできませんが
一生に一度は観てほしい作品です。
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