「芸術的精神世界への遊泳」ザ・セル satoichiさんの映画レビュー(感想・評価)
芸術的精神世界への遊泳
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主人公のキャサリンはとある精神治療法の研究を行う研究員。
その精神治療法とは人の夢の中に入り込み、対話を行うことで心の病みを取り去るというものだった。
そんな彼女のもとに一つの事件解決の依頼が来る。
女性を誘拐し、時限式の水槽に閉じ込めて殺してしまう猟奇殺人鬼カール・スターガーの心に入り込み、誘拐され行方不明となっている女性の行方を探ってほしいというものであった。
彼女はその依頼を引き受け、スターガーの心に入り込むのだが、幼少期のトラウマと精神障害によって傷ついた彼の精神世界は想像を絶するものであった・・・
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後にこの映画の監督がインドの方だと聞いてとても驚いたのだけれど、この映画はインドの映画のイメージからは程遠い何か病んだモノがたっぷり詰まった作品だ(もっともこの映画はアメリカ映画だけれど)
おそらくストーリーなんかは殆どどうでも良くて、"夢の中の世界"の映像美であったり、芸術的な世界観を表現したかったのだと思う
僕の感想もまさにそうで、ストーリーには印象的な要素は殆ど無かったものの、犯人が自らを鎖で釣り上げていくシーンや、馬の輪切り切断シーン、そしてあの”内蔵ぐるぐるシーン”など直接ストーリーには何ら関係は無いし、意味も無いが何か強烈に記憶に残るシーンがこの映画の全てだと感じた。
この手のコンセプトを持った映画として羊達の沈黙や、Cubeに近いものがあるけれど、世界観はそれらとも違う独特のものがあるので一見の価値があると思う。
グロ耐性が弱いので、もう二度と観ようとは思わないけれど、観ておいて良かったなと思える作品だった。
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