「格差社会への静かなる怒り」素晴らしき日曜日 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
格差社会への静かなる怒り
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DVDで鑑賞。
戦後間も無い東京、2月のとある日曜日にデートする若いカップル。ふたりの持ち合わせは全部足しても35円(現在の貨幣価値に換算すると3500円とのこと)しか無く、あまりにも乏しい。さて、今日は何をしようか?
どこに行ってもつきまとって来る金の問題と貧富の差。現代にも通じる問題であり、若いふたりにとっては生き死にに繋がる切実な問題が浮き彫りになっていきました。
第四の壁を越えて彼らが語り掛けて来る場面はかなり実験的ながら、黒澤明監督からの格差社会に対する激しい怒りのメッセージが感じられ、心震わす名シーンだと思いました。
帰りの電車を待つラストシーン。「貧乏なんかに負けてたまるか!」と云う意思に満ち、明るく生きようとするふたりの行く末を暗示するような印象的な場面でした。
しかし明るいことばかりではなく、辛いことや残酷なこともたくさん降り掛かって来ると云う不安も抱かせるような巧みな演出が垣間見え、さすがだなと思いました。
[余談]
格差社会への怒りはやがて「赤ひげ」へと結実する…
※修正(2023/04/10)
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