ティアーズ・オブ・ザ・サンのレビュー・感想・評価
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全てがいけません
脚本力というか、作劇的には成功している。このまま普通に脱出型ロードムービーだったら全然面白くなかった。突然引き返すという奇妙な行動によって、そこにミステリーが生じ、流れとしてはおもしろく、飽きずに見られた。
ただ、映画としては
私の見方では・・
これはすべてが間違いだと言い切ってしまいたい。
まず、こういうところに慈善事業で向かうのが間違い。似非ヒューマニズム。他国の戦争に首突っ込むな。世界中のことをケアすることはできない。そこには、そこの事情がある。
それから、命令に従いや。
勝手な行動するな。目的達成したらそのままヘリコプターで帰れ。何、引き返しとるね。何か重要なことに気がついたので、引き返してさぐりを入れる必要が生じたのかと思ったわ。
あさはかな同情と浅はかなヒロイズム。全てが軍事産業の宣伝みたいな映画だった。戦闘機とヘリのカッコいいことと言ったら・・だからこのような映画作ること自体も間違いだったと思うわ。
・・アフリカのジャングルの中で戦争が起きているのは、銅の採掘のためらしい。現地の人に銅がほしいんだけど・・と相談すると結局は金と武器を渡すことになる。もともとそこは食べ物がなくなれば隣の縄張りに攻め込んで・・というところなので、武器を渡せば戦争を始めてしまう・・銅は、すでに製品としてたくさん存在していてコストを考えなければ。リサイクルで賄える状態である。コストを安くしたいがためにアフリカに採掘しに行くのであり、このようなことが起こっている。我々はそれを知っておくべきだろう。
余計なことをすると死ぬな。
この「映画.com」での解説では、「映画の舞台はアルジェリア」とあるが正しくは「ナイジェリア」。お詫びして訂正して欲しい。
ブルースウィルス扮するウォーターズ大尉の他、7人のネイビーシールズ(特殊部隊)が、紛争地帯のナイジェリアにいるアメリカ人女医を助ける任務を受ける。
女医はマトリックスなどで有名なモニカ・ベルッチでさすがの美しさ。しかし、自分一人が逃げるのをこばみ、村人たち約30人を一緒に連れていこうとするところは、戦争の現実を知らないお嬢様か?w
おまけに虐殺を見たウォーターズ大尉が村人たちを一緒に救おうとするが、村人の中に肉親を人質に取られた黒人がいて、発信器を持ってた。で、想像以上に敵が追ってくるスピードが速く、かつ正確に追ってくる。
発信器を持った黒人を突き止めたが、敵の足は速い。それを食い止めるため、ウォーターズ大尉の部下が待ち伏せして爆弾で大半の敵を倒すが、敵はすぐにそれ以上の兵士を補充して追って来るのだった。理由は、全員、殺害されたはずの大統領一家のうち、唯一、生き残った息子が避難民の中におり敵は彼を殺そうと必死になっていたからだった。
村人たちも銃を手に取り、敵と交戦するが多勢に無勢。ネイビーシールズは次々と殺されていく。もちろん、ブルースウィルス扮するウォーターズ大尉は傷つくが無事。
で、それまでウォーターズ大尉が要請していた空軍の援軍がやってきて、たぶん、ナパーム弾で敵を一網打尽。カメルーンとの国境で足止めを食らっていた大統領の息子や女医たちやウォーターズ大尉たちも大尉の上官の大佐が持ってきた書類のおかげでカメルーンに入ることができたのだった。また、殺されたウォーターズ大尉の部下の遺体も回収でき、一件落着。
ただ、女医だけを救っていれば、貴重なネイビーシールズが何人も死ぬことは無く、村人たちも戦闘で何人も死んでいるのでトータルで見ればマイナスではないか。
おまけに女医はことあるごとに「(村人たちを)見捨てていけない!」「いや~~~!!!」などとウォーターズ大尉に逆らい、手を焼かせる。もし、敵がやってきて女医が捕まったら強姦されることが分かっていなのだろうか?戦争の現実を知らずに、単なる人助けでナイジェリアまで行く気が知れない。それと、アフリカではエボラ出血熱、デング熱など伝染病がうじょうじょしているのに、村のオペ室でさえない部屋で外科手術をして助かるのだろうか?と思った。
まぁ、戦闘シーンは迫力があるからそこは良かった。
命令違反 それでも私は、あなたたちを守りたかった。
原題
Tears of the Sun
感想
『ダイ・ハード』のブルース・ウィリス主演による戦争アクション大作!
内戦下のナイジェリアで史上最も苛酷な救出ミッションに挑む!
神が見捨てた命を、私は救えるのかー?
[女性医師リーナ・ケンドリックスを救出せよ]
ブルースウィリス目当てで観ました。
反乱軍の野蛮さ、ナイジェリアの悲惨な現状と…。なかなかショッキングでした。
子供を育てられないように女性の乳房を切り落とすのはもう人間のやることではないです。恐ろしい。
もうちょっとアクション要素多くてもよかったかもです。
ラストの銃撃戦は見応えありましたが、仲間が倒れていく姿に悲しくならなかったです。
ラストの空爆で敵全滅は呆気なかったですね笑
※善なる人々が行動を怠れば必ず悪が勝利する エドマンド・バーク
『神はアフリカを去った・・・』
平和ボケと言われようと「日本人」で良かった・・・。 赤ちゃんを育てなくするために乳房を切り落とすなんて・・・何てことをするんでしょう、何でそんな事を考えついて実際にできるのか。 ジー?が言っていた「それでも人間か?!」その言葉しか思い浮かびません。 助けてあげる勇気も力もない自分が虚しくなります。 レビューでこんなこと書いちゃマズイかもしれませんが、できることならああいう奴らに生まれてきたことを後悔させてやりたいです。
ベトナムの罪滅ぼし?
いまやアクション・スターのレジェンドとも言えるブルース・ウィルスとイタリアの宝石・モニカ・ベルッチ競演と言うことで観てみました。本作ではテーマがテーマだけにブルース・ウィルスも終始シリアス、モニカも色っぽさを封印して別人の様です、キスシーンもカットされたとか。
映画.COMの解説ではアルジェリアとなっていますがナイジェリアの間違いでしょう。IMDbではカナダの陸軍秘密特殊部隊(JTF2)のメンバーが映画会社に売り込んだ話が基になっているようですが概ねフィクションでしょう、舞台はナイジェリアのビアフラ内戦、米軍は大使館員の救出や難民医療にあたる女医らの救出作戦を行います。シールズの空挺部隊が病院につくと女医は難民たちの同行、救出を主張して避難に応じないことから作戦は思わぬ窮地に追い込まれます。
まるでベトナムの罪滅ぼしのような人道主義に目覚めた米軍の難民救出劇でした。
観終わってみると任務達成のカタルシスは余りなく、アフリカ諸国の内政問題は根が深いだけに、焼け石に水的な虚しさも拭えません。
後味の悪さという点では救助をさんざん渋っていた司令官が急変、満面の笑みで登場する演出にもあるかもしれません、ダイハードのウィルスなら一発お見舞いしているでしょう。
普通の戦闘娯楽映画とは思って欲しくない
総合:90点
ストーリー: 85
キャスト: 80
演出: 95
ビジュアル: 80
音楽: 90
民族浄化という重いが素晴らしい主題を扱った優れた映画。
21世紀においてもアフリカの内戦は現代日本では考えられない残虐行為が日常的に行われている。この映画の舞台であるナイジェリアの内戦もその1つ。それに対する人道主義か国際法や命令かという板ばさみ状態を命懸けで現場で判断する重大さが良い。命令を聞いてさっさと帰れば楽。それならば法令違反もなければ自分たちの命も安泰。
しかしたった今目の前で罪のない一般の人が民族が違うとかいう理由でまるで虫けらのように簡単に殺されるという現実に直面し、人は平然としていられるだろうか。あるいは平然としておくべきであるか、自問せずにいられるだろうか。決断の成否はともかく、それを深く考えない者は自分勝手な偽善者ではないだろうか。
特に病院や逃避行中の村での虐殺のシーンをそのまま出しているのはいい。昨日まで会ったこともなかった見ず知らずの人々を救うための決断をするブルース・ウィリス。それは自分の栄光のキャリアを捨てる可能性が高いのはもちろん、自分だけでなく部下の命を賭けるということである。そこまで彼に決断させるほどの残虐行為が迫っているのである。そしてそうしなければ多数の民間人が虐殺されていたのは間違いない。
1990年代のルワンダで似たような状況に置かれた国連軍指揮下のカナダの部隊司令官が、自部隊を動かさず干渉しないという上からの命令に従い、そのため目の前で大量に虐殺される人々を助けることが出来ずに精神を病んだというドキュメンタリー番組を見たことがある。この映画はフィクションでも、実際に同じようなことが起きているのがアフリカの現実である。ホテル・ルワンダやブラッド・ダイヤモンド同様、それを世界の一般の人々に知らしめる意味でもこの映画は価値がある。
民間人というお荷物を伴いながらも必死に逃げるウィリスたちと、それを追跡する現地軍との息詰まる緊迫感。戦闘シーンは本物のアメリカの特殊部隊ネイヴィー・シールズの元隊員が指導をしており、撮影上でも現実に迫る緊迫感を伴った迫力のある画像となっている。アフリカの人々の叫びのような音楽も良かった。
しかし映画の最後の結末が空爆によってあっさりと片付いてしまったのはちょっと残念な部分であった。あれだけで敵が簡単に全滅したのだろうか。また目立たない小規模の特殊部隊の隠密行動ならともかく、戦争状態にない他国を爆撃する許可はどこから出たのだろうか。そこだけが唯一引っかかったところである。しかしそれでも総合的には高得点をつけられる。
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