ティアーズ・オブ・ザ・サンのレビュー・感想・評価
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『神はアフリカを去った・・・』
平和ボケと言われようと「日本人」で良かった・・・。 赤ちゃんを育てなくするために乳房を切り落とすなんて・・・何てことをするんでしょう、何でそんな事を考えついて実際にできるのか。 ジー?が言っていた「それでも人間か?!」その言葉しか思い浮かびません。 助けてあげる勇気も力もない自分が虚しくなります。 レビューでこんなこと書いちゃマズイかもしれませんが、できることならああいう奴らに生まれてきたことを後悔させてやりたいです。
ベトナムの罪滅ぼし?
いまやアクション・スターのレジェンドとも言えるブルース・ウィルスとイタリアの宝石・モニカ・ベルッチ競演と言うことで観てみました。本作ではテーマがテーマだけにブルース・ウィルスも終始シリアス、モニカも色っぽさを封印して別人の様です、キスシーンもカットされたとか。
映画.COMの解説ではアルジェリアとなっていますがナイジェリアの間違いでしょう。IMDbではカナダの陸軍秘密特殊部隊(JTF2)のメンバーが映画会社に売り込んだ話が基になっているようですが概ねフィクションでしょう、舞台はナイジェリアのビアフラ内戦、米軍は大使館員の救出や難民医療にあたる女医らの救出作戦を行います。シールズの空挺部隊が病院につくと女医は難民たちの同行、救出を主張して避難に応じないことから作戦は思わぬ窮地に追い込まれます。
まるでベトナムの罪滅ぼしのような人道主義に目覚めた米軍の難民救出劇でした。
観終わってみると任務達成のカタルシスは余りなく、アフリカ諸国の内政問題は根が深いだけに、焼け石に水的な虚しさも拭えません。
後味の悪さという点では救助をさんざん渋っていた司令官が急変、満面の笑みで登場する演出にもあるかもしれません、ダイハードのウィルスなら一発お見舞いしているでしょう。
普通の戦闘娯楽映画とは思って欲しくない
総合:90点
ストーリー: 85
キャスト: 80
演出: 95
ビジュアル: 80
音楽: 90
民族浄化という重いが素晴らしい主題を扱った優れた映画。
21世紀においてもアフリカの内戦は現代日本では考えられない残虐行為が日常的に行われている。この映画の舞台であるナイジェリアの内戦もその1つ。それに対する人道主義か国際法や命令かという板ばさみ状態を命懸けで現場で判断する重大さが良い。命令を聞いてさっさと帰れば楽。それならば法令違反もなければ自分たちの命も安泰。
しかしたった今目の前で罪のない一般の人が民族が違うとかいう理由でまるで虫けらのように簡単に殺されるという現実に直面し、人は平然としていられるだろうか。あるいは平然としておくべきであるか、自問せずにいられるだろうか。決断の成否はともかく、それを深く考えない者は自分勝手な偽善者ではないだろうか。
特に病院や逃避行中の村での虐殺のシーンをそのまま出しているのはいい。昨日まで会ったこともなかった見ず知らずの人々を救うための決断をするブルース・ウィリス。それは自分の栄光のキャリアを捨てる可能性が高いのはもちろん、自分だけでなく部下の命を賭けるということである。そこまで彼に決断させるほどの残虐行為が迫っているのである。そしてそうしなければ多数の民間人が虐殺されていたのは間違いない。
1990年代のルワンダで似たような状況に置かれた国連軍指揮下のカナダの部隊司令官が、自部隊を動かさず干渉しないという上からの命令に従い、そのため目の前で大量に虐殺される人々を助けることが出来ずに精神を病んだというドキュメンタリー番組を見たことがある。この映画はフィクションでも、実際に同じようなことが起きているのがアフリカの現実である。ホテル・ルワンダやブラッド・ダイヤモンド同様、それを世界の一般の人々に知らしめる意味でもこの映画は価値がある。
民間人というお荷物を伴いながらも必死に逃げるウィリスたちと、それを追跡する現地軍との息詰まる緊迫感。戦闘シーンは本物のアメリカの特殊部隊ネイヴィー・シールズの元隊員が指導をしており、撮影上でも現実に迫る緊迫感を伴った迫力のある画像となっている。アフリカの人々の叫びのような音楽も良かった。
しかし映画の最後の結末が空爆によってあっさりと片付いてしまったのはちょっと残念な部分であった。あれだけで敵が簡単に全滅したのだろうか。また目立たない小規模の特殊部隊の隠密行動ならともかく、戦争状態にない他国を爆撃する許可はどこから出たのだろうか。そこだけが唯一引っかかったところである。しかしそれでも総合的には高得点をつけられる。
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