劇場公開日 2003年10月15日

「重たい雰囲気の戦争映画」ティアーズ・オブ・ザ・サン うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0重たい雰囲気の戦争映画

2022年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

戦争映画の傑作「プライベート・ライアン」によく似たプロットなんですが、どうしてこうテイストが違ってしまうのか。

本来のミッションからすると、簡単に遂行できたようなことでも、人間として、目の前で起きている不条理を見過ごすことができない。というジレンマを余すことなく描いてあります。

女医が出ていなければ、本当に男臭い映画で、興行的にも不振だったのでしょう。
確かに考えさせられるテーマですが、日本人にはあまりピンとこない話です。

政情不安定な地域にボランティアで行く人たちは、どこの国にもいるのでしょう。
それを守ってあげるのは国家の責任なのかもしれませんが、日本では「自己責任」で片付けられ、一人を救出するのに、部隊を振り向ける発想はないでしょう。

「患者たちを見捨てて帰れない。」などというヒロイズムはただのわがままにしか思えません。
結果として、多くの命を危険に晒しているのですから。

とても重いテーマで、ラストも何となく感動の気持ちに包まれますが、何ひとつ解決していません。
世界で起きている、リアルな問題に、胸を痛め、考えさせられる映画でした。

2014.6.19

うそつきカモメ