デューン 砂の惑星のレビュー・感想・評価
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元祖カメハメ波?
何巻まで読んだか忘れてしまったが友人間で回し読みをしていた。SFでありながらタイムスリップではなく中世貴族の領地紛争やヘラクレス冒険譚のような神話風に語られる舞台設定はSF時代劇とでも呼ぶようなハイブリッドSFであった。SFもScience FictionでなくSpace Fantasyの方が適当かもしれない。同様の構想はスターウォーズにも脈々と受け継がれアベンジャーズシリーズにも観てとれる、謂わば元祖的作品である。映画も当たればシリーズ化が見込めただろうが芳しくはなかったようだ。デビッド・リンチ監督は美醜のコントラストが強すぎるから子供たちには不向きだったこともあるかもしれない。武器も音声念力銃(元祖カメハメ波?)や巨大砂ミミズでアナログ的、昨今の何でもアリSFに比べればシンプルで十分楽しめる力作である。
"ホドロフスキー"も一安心
最初から情報量が多くて戸惑ったが徐々に全体の流れは把握出来る展開なので混乱はしない。
主人公がピンチなようで単純にも解決される問題に御都合主義的で苦悩や困難は表現されず。
スティングなど脇役陣の存在感も薄くD・リンチの演出を含め何ら活かされていないようにも思う。
"ホドロフスキー"版を観たい欲求が倍増するだけ!?
監督の映像センスは評価すべき
原作は1960年代後期から1980年代前半にかけてアメリカでヒットした大河SF小説で、全6巻にして未完の大作
イスラムやアラブ世界の伝承や神話をモチーフにした一種の貴種流離譚の物語をSFの体裁としたもの
とはいえスパイスはドラッグの暗喩であり、一言で言えば壮大なトリップの物語である
であるからこそ、あの時代のアメリカのヒッピー達に持て囃されたのだ
原作を読めば分かるが、映像にはなるが映画には向かない
小説自体が読破するのが苦行であったのだから、それをどう頑張っても面白く出来よう筈がない
これを面白い映画にするなら原作から徹底的に遠ざかるしかない
それを端から分かった上で本作を観たので、ダメージは少なく済んだ
原作を読んだのは遥かな昔なので忘れ果ててはいるが、ほぼ原作に忠実だろうと思う
あの大河物語を2時間強にまとめ上げたのだからダイジェスト風味になるのも致し方ない
原作に思い入れが無ければ苦行でしかない
観るのは苦痛だろうがそれはそれで原作に忠実ということでデビット・リンチ監督を責めてはならない
むしろ、ビジュアル、衣装、美術には見るべきものが多い
そして全体を貫くトーンはリンチ監督のタッチがしっかりとあり独自の世界を映像で表現出来ている
そこは評価されるべきだろう
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