「主人公をイエスになぞらえたか…」デューン 砂の惑星 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
主人公をイエスになぞらえたか…
近々、ドゥニ・ヴィルヌーヴのリメイク版の
初鑑賞を予定しているので、
約40年前のロードショー以来にはなるが
この作品を先に再鑑賞した。
しかし、原作がどのような意味合いを
持つ作品なのか、
かなりの長編と聞いているので
この先も読むことはないだろうが、
今回も良く解らないまま
鑑賞を終えてしまった。
“生命の水”によって能力を備えた主人公は、
まるでヨハネの洗礼を受けたイエスに
なぞらえたような人物にも見えるし、
最終的に彼が率いることになるフレーメンは
信者の意味合いなのだろうか。
一方で、彼に敗北した支配者グループから
見るととんでもない破壊者に見えたが。
それにしても、
この手の映画で違和感があるのが、
「スター・ウォーズ」でも
多少感じることだが、
巨大な兵器と人間との闘いに
ギャップがありすぎて、
特にこの作品ではその違和感が甚だしく、
巨大な砂虫の映像以外の特撮には
なんら魅力を感じなかった。
この原作ついては、
デヴィッド・リーンやリドリー・スコットに
よる映画化の検討もあったとのこと。
おどろおどろしいディヴィッド・リンチ風
よりも、
リーン演出では、美しい壮大な画面と
確かなストーリー展開での大作感が、
スコット演出では、より熟れたSF感を
醸し出す作品になったのではなかったかと、
そちらも観たかったな、との
無い物ねだり的想いが頭をもたげた。
そんな意味で、この後に鑑賞予定の
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のリメイク版が
どんな観点・映像で、この「砂の惑星」物語を
魅せてくれるかが楽しみになってきた。
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