劇場公開日 2024年8月2日

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「壮大で難解過ぎた惑星」デューン 砂の惑星 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0壮大で難解過ぎた惑星

2021年10月14日
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鑑賞方法:DVD/BD

興奮

難しい

寝られる

間もなく公開される最新作を前に予習鑑賞。
フランク・ハーバードのSF小説を“初映画化”した、デヴィッド・リンチ監督による1984年の作品。

原作は今更言うまでもなく、後のSFやファンタジーに多大な影響を与えた古典。
地球外の惑星で繰り広げられる勢力争い、細かな設定、独特の美術や衣装、救世主となる主人公…。
広大な砂漠の世界。異形の巨大クリーチャー…。
あれやこれや幾つもの作品が思い浮かぶ。

さて本作、前にも見た事あったか否か、記憶があやふや。
それならそれで、作品も難解らしく、多少の理解になればと思ったけど…、
全然分かんねぇや!

ハーバードが創造した壮大過ぎる世界観。
ほとんどの人が言う。それを2時間強の尺に収めるのは無謀だった、と。
またまたお叱りを受けそうだが自分は毎度の事ながら原作小説は未読だが、それでも描き切れていないのは充分に伝わって来た。
小難しい設定、用語、入り乱れる複雑な人間関係…突然ポンと放り投げられ、説明らしい説明もナシに話は進み、結局置いてきぼり&ほとんど把握出来ないまま…。
違和感を感じるほど急に画面や展開が切り替わる。最たるは、中盤の主人公ポールとジェシカの恋、ポール率いる隊の砂漠での戦いがナレーションのみ!
コロコロコロコロ落ち着きなくて、何を主軸にしたいんだか…。本当にダイジェストを見せられている気分。
単に私の理解力の無さかもしれないが、いやいやほとんどの人だってそうでしょ?

まあそれでも、“デューン”の異惑星観たっぷりの風景、本作の見ものの一つと言っていい特撮を駆使した砂蟲=サンドワームなど、ビジュアル面は一見の価値あり。
が、SFXやアクション、それに全体的に見るとどうしてもB級感が…。
イボイボのキモ顔やちょいちょいのグロ描写が悪趣味。さらに拍車を掛ける。
ハーバードの元々の世界観か、リンチの独創性か、プロデューサーのラウレンティスの娯楽性か。
それとも、全てが混じり合ってしまった結果か。
作品に纏わる曰く付きの製作話は何度も何度も蒸し返す事もなかろう。
何にせよ、人によっては“迷”作であり、“名”作。
ちなみに自分は…

最新作を前に、1割~良くて2割ちょっとだけでも何となく分かっただけでも良しとしよう。
本格的な『デューン』レビューはドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による最新作にて!

近大