「監督の映像センスは評価すべき」デューン 砂の惑星 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
監督の映像センスは評価すべき
原作は1960年代後期から1980年代前半にかけてアメリカでヒットした大河SF小説で、全6巻にして未完の大作
イスラムやアラブ世界の伝承や神話をモチーフにした一種の貴種流離譚の物語をSFの体裁としたもの
とはいえスパイスはドラッグの暗喩であり、一言で言えば壮大なトリップの物語である
であるからこそ、あの時代のアメリカのヒッピー達に持て囃されたのだ
原作を読めば分かるが、映像にはなるが映画には向かない
小説自体が読破するのが苦行であったのだから、それをどう頑張っても面白く出来よう筈がない
これを面白い映画にするなら原作から徹底的に遠ざかるしかない
それを端から分かった上で本作を観たので、ダメージは少なく済んだ
原作を読んだのは遥かな昔なので忘れ果ててはいるが、ほぼ原作に忠実だろうと思う
あの大河物語を2時間強にまとめ上げたのだからダイジェスト風味になるのも致し方ない
原作に思い入れが無ければ苦行でしかない
観るのは苦痛だろうがそれはそれで原作に忠実ということでデビット・リンチ監督を責めてはならない
むしろ、ビジュアル、衣装、美術には見るべきものが多い
そして全体を貫くトーンはリンチ監督のタッチがしっかりとあり独自の世界を映像で表現出来ている
そこは評価されるべきだろう
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