「恐ろしいことです 21世紀にも関わらず戦前の尻尾が生き残っている世界があったのです」それでもボクはやってない あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
恐ろしいことです 21世紀にも関わらず戦前の尻尾が生き残っている世界があったのです
法廷劇の映画といえばすぐに思いだすのは、1957年のシドニー・ルメット監督の映画史に残る名作の「12人の怒れる男」とか、1958年のビリー・ワイルダー監督の「情婦」、1962年のロバート・マリガン監督のアラバマ物語とかですが、本作に一番近いのは1956年の今井正監督の「真昼の暗黒」ではないかと思います
冤罪が起きるメカニズムはその作品に余すことなく描かれています
本作はそこに人質司法という日本の司法制度の欠陥をえぐり出しています
2019年の年末に世界を震撼させた、映画さながらの日本からの脱出劇を決行したカルロス・ゴーンの事件は、本作を観れば彼が主張していた人質司法の非道さの意味を、自分のこととして感じることができます
日本は法秩序が確立された先進国と思っていましたが、一皮むくとどこぞの国のような非文明国であったのかと唖然としてしまいます
明日、自分に本作と同じことが降りかかってもおかしくないのです
恐ろしいことです
21世紀にも関わらず戦前の尻尾が生き残っている世界があったのです
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