「黒澤明監督作品には珍しい法廷劇でした。」醜聞 スキャンダル 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
黒澤明監督作品には珍しい法廷劇でした。
1950年。監督:黒澤明。主演:三船敏朗。
黒澤明の10番目に監督した映画。黒澤明が40歳。三船敏朗が30歳です。
黒澤作品としては、余り秀作とは言えず目立たない作品。
メロドラマになりそうな素材を、法廷劇に変えた意図は如何に!!
オートバイ乗りの三船敏朗。
ソプラノ歌唱する山口淑子。
クズ弁護士の志村喬。
オートバイ。ソプラノ歌手。クズ弁護士。病床の美少女(桂木洋子)
絵のモデル(千石規子)
全ての出演者が図式的で凡庸・・・という珍しい黒澤作品。
三船敏朗が幼く見える。
山口淑子が詰まらない大根に見える。
屑を演じる志村喬がやや珍しい役柄。
モデル役の千石規子がひとり生き生きしている。
伊豆の山で写生中の画家(三船敏朗)が偶然ソプラノ歌手(山口淑子)を、
オートバイの後ろに乗せて伊豆旅館まで送る。
入浴後、ベランダで談笑している場面を月刊アムールにパパラッチされる。
アムールはバカ売れ!
怒った三船敏朗はアムールを名誉毀損で訴える。
後半は法廷劇となる。
買収された弁護士・志村喬のせいで弁護は迷走する。
ここで黒澤と三船のファンなら、ソプラノ歌手との愛が芽生え、ことを複雑にするのを期待してしまいます。
ところがそれは全くなし。
肩透かしです。
バイク野郎・三船敏朗が画家・・・そんな、らしくない中途半端な社会派作品でした。
三船敏朗が美男子だと確認して、良いとしますか・・・。
しかしスターを激写するパパラッチと、
珍しい法廷場面に好奇心旺盛な黒澤明の柔軟性を感じもしました。
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