「大興奮」スカーフェイス 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
大興奮
カナザワ映画祭で見た。座席がなんかゴツゴツして座りにくいと思っていたら、最後アルパチーノがグレネードランチャーを発射したらすごくビリビリして、びっくりした。その振動の装置が仕込まれていたのだった。
コカインを死ぬほど吸い込んで、体中に武器を巻き付けて派手に大暴れして死ぬのは最高な感じがする。
(追記2015.03.11)
イオンのシネパスで見た。前回はちょっとウトウトしてしまったのだが、初めて通してきちんと見たところあまりのすさまじさにびっくりした。超面白い!
ボスの彼女を平気でナンパするところは岡田斗司夫さんを彷彿とさせたのだが、トニーには言葉に嘘がないところが全く違っていた。「オレにかなうやつはいない」と言いながら蜂の巣にされて死んで行くのは「人間はオレだけで、残りは犬か虫」とのたまう岡田斗司夫さんのようで、現在ネット界で蜂の巣状態であることを彷彿とさせた。
決してトニー・モンタナが岡田さんのような男であるといいたいわけではないのだが、思い上がりが甚だしく、足るを知らないところなど似た側面はある。岡田さんのような邪悪さや嫌ったらしさはないしケチでもないので、そこは強調しておきたい。
ミシェル・ファイファーが美人すぎて、確かにボスの女であっても横取りしたくなる気持ちはわかる。ただ美人であるだけでジャンキーだし全く楽しくない人物であり、本人もつらそうだった。「女ってのは朝起きて服を着て、また着替えて一日が終わる」とボスが言っていたのが面白かった。「私たちは負けたのよ、どこにも勝ち目なんかないわ」と言って去っていくのが印象的だった。
トニーがチンピラから出世して行く感じがすごく自然に描かれていた。アクションシーンも最高だ。何年かに一度は見返す必要がある素晴らしい映画だった。大傑作。