「面白い構成の話だと思った」スイミング・プール Ririenさんの映画レビュー(感想・評価)
面白い構成の話だと思った
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最初観終わった時は、よくわからなくて
何度も録画していたラストの方の映像を見直して
思った、私なりの解釈
ジュリーとジュリアは別人
ジュリアはジョンの実在する娘だが
ジュリーは、ミステリ作家サラが
ジュリアを見ながら想像で作り上げた別人格の
実在しないキャラクター
実際はジュリアは、性に開放的な奔放な娘ではなく
彼女にそういう妄想を重ねてジュリーとして見ていた
サラにとっては、「殺人と捜査」が核のミステリ作家と
しての殻を破りたい、読者や出版社から要求される
手堅いミステリではなく自由な発想で作品を書きたい
という欲求の現れがジュリーの言動という形で現れた、
という事ではないかと思う
誰とでも寝るジュリー=読者や出版社の意向に
合わせて創作するサラ
フランクを殺すジュリー=そういう意向という鎖から
解き放たれたいというサラの願望の実現
なので、フランクは現実には存在していないし
殺されていない
殺人は「スイミング・プール」という本の中で起きた
出来事
この映画そのものの内容が「スイミング・プール」
という作家サラ(ジュリーの母=この場合はサラ、の
創作が元というややこしい設定だが)の想像の産物、
と考えると、つじつまが合うと思う
面白い構成の話だと思った
追記:
プールに浮かぶ木の葉やゴミ=好まぬ読者や出版社の
象徴、
何度もサラが十字架を取り外す場面は
がんじがらめの自分を解放させたい欲求の
現れかな、と
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・・・ぶっちゃけた話、スポンサーからくどくど
観客に受ける映画、金になる映画を作れ、と言われて
キレた監督が、裸だしゃあいいんだろと
開き直って、作家の話にかこつけて憂さ晴らし
したような気がしなくもない
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