劇場公開日 1991年6月7日

「よく整った推理サスペンスだと思う。」推定無罪 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0よく整った推理サスペンスだと思う。

2024年11月13日
PCから投稿

不倫相手だった女性検事補の殺害容疑をかけられた首席検事補を描く、推理サスペンス。現場の証拠は全て主人公の関与を示す一方、女性検事補は、主人公以外の男性たちと関係を持っていた。

主人公を執拗に追及するライバル、主人公が信頼する刑事、逮捕・起訴された主人公が頼みとする弁護士など、一癖もふた癖もある人々が絡んで、謎解きに引き込まれるエンターテイメント・スリラーだ。

しっかりした脚本。演技も素晴らしい。ストーリー展開も見事で、最後まで飽きることは無い。劇的な効果や、強い演出を求める人は、単調で物足りないと思うかも。抑揚を抑えたトーンで、よく整った心理サスペンスといえる。

最後のネタバレを、偶然も含めた実現可能性をどう感じるかで、評価が割れそう。とはいえ、堅実な脚本と、丹念なストーリー運びが味わい深い、見事な推理サスペンスだと思う。

瀬戸口仁