劇場公開日 1991年6月7日

「真実を明らかにする正義のための裁判ではない」推定無罪 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0真実を明らかにする正義のための裁判ではない

2013年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

総合:75点
ストーリー: 75
キャスト: 75
演出: 75
ビジュアル: 70
音楽: 65

 普通、裁判物映画と聞いて思い浮かべるのは、正義と法を守るために主人公側が力の限りを尽くして戦うというもの。だがこの作品はそれと異なる。主人公が殺人事件の犯人として疑われてしまうという物語だが、面白い点は訴える側も訴えられる側もそれぞれが事情を抱えているということ。絶対的正義や悪が存在せず、単なる裁判劇として終わらない。単純に真実を明らかにして誰が真犯人なのかを追及すればいいという問題ではなく、関係者の立場を理解していかに自分を有利にするための取引や戦術を駆使する過程が楽しめる。正義を明らかにし執行するための裁判ではない。自分の立場を守るために、とにかく勝つための裁判である。そのうえで真犯人の事情が解明されるし、その複雑な動機と計画が結末をうまく決定づけていた。

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Cape God