推定無罪のレビュー・感想・評価
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男性中心社会構造の中での2人の女性の交錯が…
結末を知っての再鑑賞。
初めて観た時は、その衝撃の真相に、
そして、今回は、真実を知っている妻の言動
に注目しながらの鑑賞となった。
そして、主人公が逮捕された時の家宅捜索で
何故凶器は見逃されたのか、
時間は充分にあったはずなのに
妻は何故凶器をそのままにしていたのか
等々、幾つかの疑問を感じたが、
それはさておき、
別の点に気を引かれての鑑賞となった。
それは、結末からすると、冒頭の
“真実の発見なくしては、
正義への希望はない”
との主人公のモノローグは、
果たしてこの物語に相応しいものなのか、
思ったことが出発点だった。
この作品は、ある意味、
女性の社会人としてのジレンマの観点で
2つの対比を見せていたようにも感じる。
一人は出世のためなら、男性関係でも
どんな手段でも講じる生き様。
もう一つの対応は、
家庭に主婦として入ったための心残りから、
夫を奪った自らが諦めた立場にいる女性への
異常な復讐に走るという生き様。
しかし、何れも、
苦しい女性のメンタル面を男性視点で極論化
したもので、
エンターテイメントとしてのあえての設定
ではあるのだろうが、
男性中心社会構造の中での2人の女性の交錯
による極端化した悲劇のようにも感じた。
“一生、あなたは妻が真犯人と知って暮らす”
との、妻の夫へと恐ろしい言い様は、
そんな視点を元にしたもののようにも。
だから、この物語でのそんな真実の発見が、
どう正義への希望に繋がるのか、
冒頭のモノローグとの関連では
良く解らなかった。
「大統領の陰謀」や「ペリカン文書」の
アラン・J・パクラ監督は、
「ソフィーの選択」では
女性の選択の重みと哀しみを
見事に描いてくれたが、
この作品では、そんな点では
今一つ物足りないようには感じた。
背筋が凍りつくラスト。
1990(日本では1991)年公開、アメリカ映画。
【監督】:アラン・J・パクラ
【脚本】:フランク・ピアソン、アラン・J・パクラ
【原作】:スコット・トゥロー〜『推定無罪』
主な配役
【ラスティ・サビッチ】:ハリソン・フォード
【キャロリン・ポルヒーマス】:グレタ・スカッキ
【レイモンド・ホーガン】:ブライアン・デネヒー
【サンディ・スターン】:ラウル・ジュリア
【バーバラ・サビッチ】:ボニー・ベデリア
ひさしぶりに観た。
面白かった。
仕事はできるが出世欲のない検事をハリソン・フォードが演じる。
まさに脂の乗り切った彼は公開時48歳、色気がある。
不倫相手だった同僚検事が殺される。
上司の命令で、半ば強引に担当させられ、
いやいやなじみの刑事と捜査に乗り出すが、
なぜか、彼が逮捕されてしまう。
自らの無罪を勝ち取るための
推理、捜査のくだりも面白いが、
一番の山場は真犯人との対面だろう。
背筋が凍りつくラストだ。
☆4.0
不倫に名画なし
スッキリしないまま、淡々と話が続き、終わってみれば「え?そんな結末アリ?」という展開に。推定無罪という概念を映像を通じて学習した以外、これと言った収穫のない映画だった。それにしてもこの時代、不倫を扱った映画って、つねにこういう後味の悪さが残るストーリーだったなぁ。個人的には身内を傷つける行為は不倫であれ、暴力であれダメだと思うが、この手の殺人が絡む情愛のもつれって、だらしないけど基本的に女にもてる男をキャスティングしないと説得力がない。『危険な情事』マイケル・ダグラス。『ゴーン・ガール』ベン・アフレック。そして、ハリソン・フォード。なんだか、みんな愛妻家をアピールしながら最終的には結婚が破たんした人ばかりだな。
アラン・J・パクラ
アラバマ物語、ソファーの選択、素晴らしい腕を持った監督の仕事。演出に無理がなく映像的にも良かった。ただ結論は若干読めた。またこの夫婦は人を殺した事実がありながら心中穏やかに余生を過ごすことはできないだろうと思った。殺された女性は放っておかれがちな描かれ方だが、心の冷酷さを罰する法は無い。
よく整った推理サスペンスだと思う。
不倫相手だった女性検事補の殺害容疑をかけられた首席検事補を描く、推理サスペンス。現場の証拠は全て主人公の関与を示す一方、女性検事補は、主人公以外の男性たちと関係を持っていた。
主人公を執拗に追及するライバル、主人公が信頼する刑事、逮捕・起訴された主人公が頼みとする弁護士など、一癖もふた癖もある人々が絡んで、謎解きに引き込まれるエンターテイメント・スリラーだ。
しっかりした脚本。演技も素晴らしい。ストーリー展開も見事で、最後まで飽きることは無い。劇的な効果や、強い演出を求める人は、単調で物足りないと思うかも。抑揚を抑えたトーンで、よく整った心理サスペンスといえる。
最後のネタバレを、偶然も含めた実現可能性をどう感じるかで、評価が割れそう。とはいえ、堅実な脚本と、丹念なストーリー運びが味わい深い、見事な推理サスペンスだと思う。
彼らは救われた、の意味
危険な情事‼️
寛大な奥さんだなぁと思って観てた
主人公は検事。愛人関係にあった女が死に、ハリソン・フォードが犯人と仕組まれてしまうのだが、タイトルからして「推定」なわけだから、かなり言葉巧みに言い逃れしてグレーで終わらす話なんだろうと思った。よって、私にとっては愛人関係はどうでもよく、話術や駆け引きが上手くなる参考になれば...そう思って鑑賞しました。
「真実の発見なくして正義は望めないのだ」
真実(本音)を伝える人がどれほど居るか...そんなこと考えながらスタートした。
上司「選挙で負けそうなんだ。早く犯人を上げろ!さもないとクビにするぞ!」
なんだよ、この展開。。。忖度かよ。
殺された女はメリットある男と寝てきたツケなんでしょうが、話がなかなか進まない。それどころかエッチシーン含め過去に戻る演出は退屈。いつになったら「逃亡者」みたいに追い込まれていくのか、他の映画が頭をよぎってしまった。誘惑シーン要らないなぁ...殺された女の性格は既に話してるんだからさぁ~。
上の人間が、金だ権力だ名声だ、と一人の女を活用した話しなのかな。判事まで絡んでるとはね。まぁ美人が近寄ってくると用心度は高い。今も昔も変わらない教訓を再認識はしましたが、話術とか私が参考になることは少なかった。
犯人不明だけど、とりあえず無罪で良かった、良かった。
他の女性と関係持ったのに奥さん寛大だなぁ~と思いながら観てしまったな。私の知能じゃ、ひらめきませんでした(苦笑)
お偉いさんは出世するまで大変だ。そうじゃない人も現実はいるけど。。。世のためには真実を伝えず我慢して過ごした方がいい。色恋沙汰で人生を台無しにしていいのか?妙に積極的な女だったろ?反省しろ、これでいいんだよ。--- おそらく自分だったら、そう思って仕事に励むことになるだろう。しかし、奥さんは別なんだよね。
思ったほど難しい話ではなかったので、裁判モノが苦手な私でも大体理解できましたが、インパクトある場面が無いのが残念。
「やってない、無実だ」と言うと、人は疑ってしまうそうだ。困った心理ですね。どうすりゃいいのでしょう。教えてほしかった(苦笑)
ハリソン・フォード:津嘉山正種
ハリソン・フォードを津嘉山正種が吹き替えてるというだけの理由で見た。まあまあ。割と貧相なハリソン・フォードだが津嘉山正種が吹き替えるとそれなりに威厳が出る。村井国夫が駄目なら津嘉山正種でもいいと思う。
基本的にはハリソン・フォードの浮気が原因。妻に浮気がばれて妻が逆ギレして浮気相手を殺してしまった。単純に見ればワイドショーみたいな映画。それを大袈裟に騒いでサスペンス仕立てで盛り上げている。オチが分かってしまえば大した映画じゃない事が分かる。
真実を明らかにする正義のための裁判ではない
総合:75点
ストーリー: 75
キャスト: 75
演出: 75
ビジュアル: 70
音楽: 65
普通、裁判物映画と聞いて思い浮かべるのは、正義と法を守るために主人公側が力の限りを尽くして戦うというもの。だがこの作品はそれと異なる。
主人公が殺人事件の犯人として疑われてしまうという物語だが、面白い点は訴える側も訴えられる側もそれぞれが事情を抱えているということ。絶対的正義や悪が存在せず、単なる裁判劇として終わらない。単純に真実を明らかにして誰が真犯人なのかを追及すればいいという問題ではなく、関係者の立場を理解していかに自分を有利にするための取引や戦術を駆使する過程が楽しめる。正義を明らかにし執行するための裁判ではない。自分の立場を守るために、とにかく勝つための裁判である。
そのうえで真犯人の事情が解明されるし、その複雑な動機と計画が結末をうまく決定づけていた。
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