「怖い人であるべき人が怖くない」シークレット ウインドウ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
怖い人であるべき人が怖くない
クリックして本文を読む
総合65点 ( ストーリー:60点|キャスト:60点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
ジョニー・デップ演じる小説家レイニーに異様な男が盗作だといって難癖をつけてくる。だが売れっ子作家の作品ならば盗作かどうか簡単にわかりそうなものなのに、その問題がちっとも解決しそうにない。やけに明白なくだらないことをひっぱるなあ、その裏にある本当のことは何だろうか。
後半に自分がそれに気がつくまでに、異常者に追い詰められる作家の周りに起こる怪事件の怖さはそこそこに楽しめた。謎解きは二の次でどうでも良くて、この異常者をどうやって対策していく話なのかと最初は思っていた。
しかし真実がわかるにつれて粗も見えてくる。自分で何も出来ない彼が、シューターという他の人に頼るのは理解できる。しかし探偵や近所のトム爺さんをわざわざ殺す理由は何だろうか。シューターが目撃されていないくらいでは動機が弱すぎるし危険が大きすぎる。警察も町の人もレイニーに疑いを持っているが、どこでそれがわかったのだろうか。
それとジョニー・デップが過去の出演作の印象もあってか、いつものように飄々とした動きをする彼がどうにも怖くない。作家レイニーのときは勿論だが、シューターに変わったときですら怖くない。「パブリック・エネミーズ」では犯罪者役でそれなりに見れたのに、ここではもっと狂気に走った役作りが必要だったのではないか。
また引っ張った前半に比較して後半は急ぎすぎたし、重要な部分を簡単にまとめてしまっているし、自分の妄想することを小説で実現しようとするレイニーのことを描きすぎて犯罪計画と捜査の部分がおざなりになっている。
コメントする