「恐慌下に現れたアイドル馬ものがたり」シービスケット Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)
恐慌下に現れたアイドル馬ものがたり
2003(日本は2004)年公開のアメリカ映画。
監督・脚本はゲイリー・ロス。
アメリカの人気作家であるローラ・ヒレンブランドによる『Seabiscuit: An American Legend(2001年)』が原作。
主な配役
【騎手レッド・ポラード】:トビー・マグワイア
【馬主チャールズ・スチュワート・ハワード】:ジェフ・ブリッジス
【調教師トム・スミス】:クリス・クーパー
タイトルの『シービスケット』は、アメリカの競走馬の名前だ。海軍で供される堅パンが名前の由来らしい。
小柄で、毛並みも悪く、膝にはコブ状の隆起もあり、
性格もノンビリしていたため、最初の馬主から「大きなイヌ」と呼ばれていたとのこと。
キャリアの最初はまったく振るわなかったらしいが、
徐々に本領を発揮し始め、ハワードに買い取られると独自の調教で仕上がっていく。
このあたりは、映画よりWikipediaのほうが圧倒的にこまかい。
映画の冒頭、繁栄を続けていたアメリカに大恐慌がおとずれるくだりから始まる。
当時のアメリカの荒み切った世情の中で、
開眼したシービスケットは、一躍アイドルになった。
大ケガを乗り越え、復活するシービスケット。
当時のアメリカ国民は、この馬に自分を重ねたのだろう。
硬派に作り込まれた本作は、視点をぶらすことなく当時の空気を見事に再現した。
レースシーンの迫力も素晴らしい。
アカデミー賞7部門ノミネートは、伊達ではない。
残念ながら、『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』が大半を受賞してしまったが、本作の素晴らしさは何も損なわれはしない。
☆4.0
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