劇場公開日 1959年

「あっという間の90分」十二人の怒れる男 とっしーさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0あっという間の90分

2015年5月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

あっという間の90分、ずっと集中して観入ってしまった。あっという間だが、とても余韻が残る。

最初、無罪に手を挙げるのは“8番”一人だけで、どうなることかと思ったが、まったく無駄のない展開で次々と同意者が増えてゆく。その展開もとても面白いのだが、やはりすごいのはキャラクターの描かれ方。12人という、決して少なくはない人数。その一人一人の人間性が、限られた時間の中で深く描写されていたように思う。

12人、90分という枠組みの中で、次第に社会が形成されていき、その中で個々人の考え方や人間性が浮き彫りになっていく。多くはない台詞の中から、彼らの生い立ちや人となりを想像するのはとても面白い。

そして“8番”。
彼はその素晴らしい冷静さと知性で、場を動かしていくのだが、その様はかなりかっこよかった。
“8番”のような男になりたいものだ。

とっしー