「有罪派の11人vs 無罪派の1人」十二人の怒れる男 パンダマンさんの映画レビュー(感想・評価)
有罪派の11人vs 無罪派の1人
少年が親父を刺殺したという事件に陪審員として集まった12人の男性たち。絶対に有罪やろという雰囲気の中、1人だけが無実と言いだしてから議論が白熱する話。
これは名作と言われるだけのことがある。
人生のベストに入るくらいの傑作。(偉そうだ)
裁判、殺人現場、回想といった映画ならではのシーンは皆無。ほとんど一室の中で完結する。
ただ12人のおっさんが汗まみれで声を荒げたりするだけの映画なのに、こんなにも1時間半ちょっとが一瞬に感じたのは久しぶり。
無実といった男性の理路整然とした推理にドンドンと周りが「確かに言われてみれば」と、考える気もしなかった人たちが逆転していく。
そこでそれぞれの人の態度や言動で人物像が浮かび上がる。12人の背景は全く分からないのに。
外が大雨で室内がジメジメした高温。おっさんたちが時間を追うたびに汗だくになっていくさまは、議論の白熱パラメータみたいで面白い。
そして最後は、全員の名前も知らないまま、それぞれの元の生活に戻っていく後ろ姿。あーオシャレ。最高。
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