「堕天使のきまぐれ? 彼は人間ではない・・・」パフューム ある人殺しの物語 ミアさんの映画レビュー(感想・評価)
堕天使のきまぐれ? 彼は人間ではない・・・
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ジャン=バティスト・グルヌイユは、堕天使のきまぐれで
人間界に送りこまれたモンスターだったのでは・・
彼には体臭がない、それは彼がこの世のモノではない事を
暗にほのめかしているのではないだろうか。
彼が存在した痕跡を消すかのように、彼にかかわった人々は
次々に非業の死を遂げていく。
そして彼は、刷り込まれた使命を果たすように、
究極の香水の材料として少女達を殺し、体臭を集めていく。
私は神様についてはあまり知らないので、ひとりよがりの妄想に過ぎないが
彼の作り出した香水は、アダムとイヴが食べた「善悪の知識の実」の
解毒剤でもあったのではないだろうか?
広場いっぱいに繰り広げられる交歓絵図は、エロチックと言うよりは
神の楽園に住んでいた頃のアダムとイブのように、無邪気に
ただお互いを求め愛し合う姿のようにも思えた。
そして、解毒剤のききめは短い・・・
彼の香水にひれふし互いに睦み合う人々を見ている内
堕天使の意図しなかった、
赤毛の果物売りの少女を人間として愛したかったという感情が、
彼の中に芽生えてしまったのかもしれない。
彼は自らを消滅させる為、生まれた場所へ戻っていく。
堕天使の指示は、世界を手中に収める事だったのかもしれないが・・・
音楽と映像そして主役のベン・ウィショーが素晴らしい。
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