「THE 漢気」パッション(2004) lotis1040さんの映画レビュー(感想・評価)
THE 漢気
寝られるという人もいるかもしれないが、ナザレのイエスの漢気にむせび泣いたのを覚えている。
ローマ法王がこれは真実!って叫んで、後で法王庁がそれナシソレはなし!って訂正して回ったというのだけれど、確かにこんなことがあったとしたらキリスト教はおかしなことになるかもしれない。
ユダヤ人の人たちからの反発も大きかったらしく、かなり議論がなされた作品だったと記憶している。
個人的には強烈過ぎると宣伝で言われていたシーンに関して言わせてもらうとそうでもなかった、これくらいのシーンの映画は山ほどあるだろう。
けれどもこれはイエスという一人の男の映画として辛い。おとこっていうのはこういうときがある。
少年の決意みたいな部分だろうか。
谷川俊太郎の「さようなら」という詩を思い出した。
あれも少年の決意を詠った詩だ。
人は何のために生きるのか。
人はパンのみにて生くるにあらずと聖書にあったと思うけど、
このイエスはまさにそれを体現する。
それは同時に人は何のために生を全うするのかという問いにもつづいてゆく道だ。
イエスは、なぜ十字架を背負ったのか?
罵倒され石を投げられ、打たれながら十字架を引き擦るイエスの姿に自分の姿を重ねる厨二病的な一瞬が私にはあった。
それでも行かなければならない。ふとそんな風に思った。
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