「衝撃的な作品」モンスター(2003) プライアさんの映画レビュー(感想・評価)
衝撃的な作品
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実話をもとに作られた衝撃的な作品です。
売春婦アイリーンは夢見がちな少女だったが夢かなわぬままに年を取り(30歳くらい?)、人生に失望して自殺を考え、最後に残った5ドルを使うために酒場に入る。
そこで出会った若い女性セルビーと親しくなり、恋に落ちて逃避行を始める。
アイリーンは売春で生活費を稼ぐが、異常な男に暴行され、殺してしまう。
以後も同様にして相手の男を殺して金や車を奪う。
ついには刑事を殺してしまい、逃げ切れないと悟ったアイリーンはセルビーを実家に帰し、そして一人逮捕される。
やがて刑務所にセルビーから電話がかかるが、セルビーは警察と司法取引をしており、これは自白を誘導するための電話だった。アイリーンは自分だけが罪を被る道を選び、12年後死刑となる。
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アイリーンの生き方は滅茶苦茶そのものだった。
しかし映画の中にあった台詞のように「そうするしかないからそうしている」、「選択肢が少ししか与えられない中で自分に取って最良の選択肢を選んでいる」のはある種正論ではある。
子供の頃不遇だったこともあり、仕方がないと言うか、一方的に批判する気にはなれなかった。
ヌクヌクと生活する一般人等より遥かに純情で遥かに必死に生きたように思う。
共に行動しアイリーンの金で生活しながら自分は手を汚さず、最後は裏切ったセルビーの方がよほど人間として恥ずべきところがあるだろう。
自分ならどちらになるのか?アイリーンに共感した人間もほとんどはセルビーの方だろう。
幼少時代を普通に過ごし平凡ながら普通に生活できている人は・・・。考えさせられる話である。
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