「削ぎ落とした装飾」ミリオンダラー・ベイビー aoironomeganeさんの映画レビュー(感想・評価)
削ぎ落とした装飾
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クリント・イーストウッドの作品はどれも装飾が少なくストーリーと演技だけを観させる舞台演劇のよう。
ドッグヴィルは敢えての演劇のようなセッティングでの作品だけど、イーストウッドの作品は映画だから派手に行っときゃいいんだよ、って感じがない。もうちょいあってもいいんじゃないかって言いたくなるほど。
だから、ヒラリー・スワンクとモーガン・フリーマンの演技が光る。イーストウッドの演技はどうも好かないのだけど、あんな人いるよねって思っちゃう。
最後の方で、半身不随になったヒラリー・スワンクのところへロクデナシ家族がやってきて、書類にサインさせようとするシーンが心に残った。
母親に自分が一生懸命頑張ったんだけど、こんな体になってしまったことを、それでもその頑張りを褒めて欲しかったのか母親にすがる。母親は『…けど、負けは負けだろ』って言う。ひどい一言のようにも聞こえたが、それだけじゃない何かを感じて頭から離れない。
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