「見方によって正反対の結末」ミリオンダラー・ベイビー MAPLEさんの映画レビュー(感想・評価)
見方によって正反対の結末
クリックして本文を読む
客観的事実としては、マギーは頑張りに反し父以外の家族からも愛を受けられず金づる扱いされ、フランキーはファイターが自身を守れる試合をさせられない悪夢を繰り返す。2人で尊厳死を選ぶ真っ暗な展開。
主観的事実としては、マギーはボクサーとして無傷で成功する事以上に、飢えていた父娘の愛を選び、最期には手にできた。フランキーもマギーをファイターとして育てながら、マギーを娘の代わりとして父になれ、モーガンフリーマンの一件以来トレーナーとして及び腰な気持ちも忘れられた。レモンパイが本物の味になるにつれ、モ・クシュラを2人とも得た。
傍観者と当事者で得る印象が全く違い、両面のかけ橋の役目をモーガンフリーマンがしている。モーガンフリーマンは経験も踏まえて、常に最良の道しるべをマギーに示すが、マギーが主観的に選択する描写が印象的だった。現実的な描き方をできるからこそ、見方によって、残酷とも幸せとも代償が大きすぎるとも取れる作り方がクリントイーストウッド監督のすごさなのだなと感じた。
コメントする