「ワイルダー先生、初期の大傑作」深夜の告白 越後屋さんの映画レビュー(感想・評価)
ワイルダー先生、初期の大傑作
映画史上、フィルムノワールを代表する作品と言われています。
ヒッチとは別のタッチのスリラーとサスペンス、簡単にいえばヒッチからユーモアやオトボケを削除したような雰囲気、だからこそフルムノワール的と言えましょう。
倒叙的に冒頭に犯人を明示して、犯人の告白と事件の経緯を交互に並行して話を進めるスタイルは無駄なシーンを排除してソリッドな映像表現に徹しています。
探偵作家としてすでに著名だった初老のRチャンドラー先生の初稿に対して、当時30代だったワイルダー先生は「この本はクソですね」と台本を叩き返したそうです。
チャンドラー先生も「ビリーはクレイジーだ」と言い放って半年の脚本作成では終始イライラの絶頂にあったようです。
チャンドラー先生も偏屈ですから、偏屈者同士の神経をすり減らす脚本作りだったようです。
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