マイ・ビッグ・ファット・ウェディング : 映画評論・批評

2003年7月15日更新

2003年7月19日より丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系にてロードショー

アメリカ人の夢や希望が主人公の再建ぶりに重なった?

画像1

製作費=超低予算、主演女優=無名、物語=無名の実話、宣伝=ほぼゼロ、公開=超一部限定。ところが公開から数カ月で全米ラブストーリー映画史上最高興行収入「タイタニック」に次ぐ作品に大化け。異例の大ヒット&超ロングランとなったことで、“無い無い尽くし”の製作過程が逆に様々な伝説を生み出した。そんな話題がアメリカから届いて早1年。一体ギリシャ人の結婚を描いた物語の、何がそれほどアメリカ中の観客の心を掴んだの? ハートフルでコミカルなノリ? 異文化の壁を乗り越えた愛? 主人公の等身大な魅力に感情移入?

どれも一理あるだろうけど、文化や環境や他者によって焦土と化した心を持つ主人公は、ある日突然ポジティブになり、リチャード・ギアの助けも借りず独自で「プリティ・ウーマン」状態。ひとりゼネコンよろしく焦土再建のため、自分の幸せを築く工事の仕込みから全部やる。脇を固める親族一同のバックアップ隊も強力。幸せになるなら相手の宗派だって変えてOK――と、そこまで観て、何だか“グラウンド・ゼロ”の再建に込めるアメリカ人の夢や希望が主人公の再建ぶりに重なったのではと思えたんだけど、それってやっぱ、考えすぎ!?

大林千茱萸

Amazonで今すぐ購入

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む
「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」の作品トップへ