「ファザコン映画の傑作」ロスト・イン・トランスレーション 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
ファザコン映画の傑作
クリックして本文を読む
別にS.コッポラのお父さんが有名監督だからとか、そういう理由ではなく、本作、ストーリー的にファザコン映画だと思う。
本作の主役マーレイとスカヨハは、年齢的にも、関係性からいっても(性的な相手はそれぞれ他にいる)、疑似父娘のように見える。
各々の伴侶は仕事や家事に追われ、マーレイやスカヨハの孤独に気づいてくれない。
真に孤独を分かり合えるのは、夫婦ではなく、(疑似)父娘の関係性においてのみ。
この臆面のないファザコンっぷり、面白いなあと思う。
(S.コッポラの『SOMEWHERE』でも、父の孤独を理解できるのは元妻や愛人ではなく実の娘だ。)
—
同時代の監督さんたち、PTAやW.アンダーソンも、別の角度から、ある種のファザコン映画を撮り続けていると思うのだけど、S.コッポラのストレートさも、興味深いなあと思う。
コメントする