「そこはかとない」ロスト・イン・トランスレーション kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
そこはかとない
そこはかとない印象と最後の首都高から見た東京が先日見たヴェンダースのパーフェクトデイズと重なりました。外国人目線の日本なんでしょう。
拒食症の話題が出て、ボブのお子さんも拒食症かと思わせる会話もありながら多くは語られず、居場所を見つけられずに苦しむシャーロットの背景もほぼ語られません。異文化に放り投げられて目に入る様々な事象に感受性を刺激され、オジサンのワンナイトスタンドにご立腹のシャーロット、今や大女優となったヨハンソンの演技は初々しくも見事だ。お互いに名前を呼び合うこともないふたりだけど、最後の抱擁によって少しだけ承認要求が満たされてのエンディング。異国という非日常でのみ起こり得る心の交流がテーマなのでしょうが、パーフェクトデイズ同様に余りにもそこはかとないために心を揺さぶられるには至りませんでした。
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