「おもしろい視点」ロスト・イン・トランスレーション 雨音さんの映画レビュー(感想・評価)
おもしろい視点
観ていてテンションがあがらない映画だったけれど、ユニークな視点がおもしろかったかな。
日本の描写は、いまいちだけれど、もともとこの二人は日本を楽しもうという動機はないまま訪れているのだから仕方がない。むしろ、せわしく多様で雑多なものが氾濫している都会では取り残された気分になるのは無理もないかと。
二人の取り合わせは面白い。
年齢も離れ、携わってきたことも異なり、特に共通点もない、おまけにそれぞれ既婚者。でも、お互いを同類だと、くんくんと嗅覚で嗅ぎ分けた。
二人が結ばれなかったことは正直物足りない。
でも、プラス志向ではない者同士が結ばれても、どうせいいことにはならない。それを二人は直感的に理解していたのだ、と思いたい。これでよかった。ふたりが距離を保ったところに、作品の底力というかプラス志向を感じる。
時には踏みとどまることって大切なのだろう。
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