「悲惨な戦争に立ち向かう女性の信念」ロング・エンゲージメント Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)
悲惨な戦争に立ち向かう女性の信念
第一次世界大戦前線の極限状況の恐怖感と主人公マチルドの一途な愛の対比。オドレイ・トトウの演技は、マチルドの性格に合った強い精神力を具えて役に溶け込んでいる。戦争の悲惨さを描いた映画の中で特異な存在の作品になる。ジュネ監督のリアリズムではない、何処か御伽噺風の映像美が独特な世界観を作る。マチルドと伯父夫婦の家庭描写がいい。20世紀初頭の自然と調和を保てた時代の生活感がファンタジックな色彩で染められている。後半の捜索のクライマックスがもう一つレベルの高い表情を持ったならば傑作になっただろう。
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