「「アンダーグラウンド」以上に身近な題材だったはずだが…」ライフ・イズ・ミラクル KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
「アンダーグラウンド」以上に身近な題材だったはずだが…
「アンダーグラウンド」までは
順を追って私の評価を上げていた
クストリッツァ監督作品だったが、
「黒猫・白猫」で肩透かしを食らい、
心配しながらの当作品の鑑賞となった。
設定は、始まるはずのない戦争が
いつの間にか身近になったという、
昨日までは
仲良く隣近所で暮らしていた者同士が、
違う民族だと言うことだけで、
今日は殺し合っているとの
旧ユーゴの内戦ニュースを思い出す。
作品の中で貫かれているのは
主人公の妻や息子への想い、
そして、人質の娘を愛するようになるのは、
民族の違いを超えても
理解しあえるはずだったのに、との想いの
象徴なのだろうが、
いかんせん話が膨らみ過ぎて、
シュールさの羅列も甚だ過ぎて
まとまりに欠けた印象だ。
題材は第二次大戦を背景とした
「アンダー…」以上に、監督には
時代的に身近な題材だったはずだが、
不必要に長尺化してしまった感があり、
名作「アンダー…」には
遠く及ばなかったように思えた。
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