「ハワイの夜」過去のない男 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ハワイの夜
踏んだり蹴ったりの男。これから何もかも無くし、絶望の淵に追いやられるのか・・・いや、そうではない。彼は必死に前を向いて歩いていた!明らかに人生の希望を持って。
実に後味がよい映画だった。過去を気にせず現在と未来だけを見据える姿勢の人生訓、ホームレス問題を抱える社会派映画、そして「愛」。特に気に入ったエピソードが、元零細経営者のおじさん!彼は銀行強盗に入るのだが、その理由が泣かせてくれます。現実の経営者にもこのくらい愛情たっぷりの人がいてくれたらと切に願います。
主人公の男は無口なため、台詞が唸らせるほど的を得ていたり、フランス風の小粋な比喩表現であったり、時には笑わせてもくれました。何とも渋いキャラクターなんだ!
ラスト近くで日本人のためのファンサービスか、「ハワイの夜」(byクレイジーケンバンド)が流れ、寿司を食べるシーンがあるのだが、これは必然性を感じない。しかし、頭の中にこのメロディーが焼きついてしまった。
見所は、男の記憶を確かめようとするシーン!「これは?」「灰皿」「これは?」「吸殻」「8×8は?」「61」「違うだろ。。。72だよ」
コメントする