劇場公開日 2003年3月15日

過去のない男のレビュー・感想・評価

全19件を表示

3.5きついと優しい

2024年11月15日
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鑑賞方法:映画館

何事も一筋縄ではない。

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mikyo

4.0じわじわ来るおかしみ

2024年9月16日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

幸せ

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sironabe

3.0コミカルで音楽たっぷりの一本

2024年6月10日
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鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
記憶がなくても心配ない。
人生は後ろには進まん。
後ろに進んだら、大変だ。

人間は「過去」がなくても、こんなに淡々と暮らせるものなのでしょうか。
不慮の事件に遭遇して過去(過去の記憶)をなくしてしまった彼なのですけれども。
実際、職探しにも、本名や生年月日や社会保障番号などの「過去」が必要とされ、挙げ句の果てに、薬物常習者扱いされる始末。

しかし、その一方では、売れ残りとはいえ、ミルク付きの食事を提供してももらえるなど、周囲の人々の温かな受け止めによって、今(現在)から未来に向かって歩みを始め、結果として生涯の伴侶にまで巡り会うという、いわば「ハッピーエンド」で、その描かれ方が、どことなくコミカルで、ほのぼのと眺めることのできる一本でした。

本作のアキ・カウリスマキ監督の作品は、評論子はあまり観ていないのですけれども。
しかし、DVD特典映像に収録されていた本作の主演女優:カティ・オウティネンのインタビューによれば、本作の同監督の作品は、どれも人物や物語を大切に描く、とのこと。
これから観続けて行くのが楽しみになった監督さんが、また一人増えたのかと思うと、それだけでも満足な評論子ではありました。

佳作であったと思います。

(追記)
拾ってきたジュークボックスを修理してもらい、コンテナ暮らしながら、彼の日常は、過去がないながらも「音楽はある生活」。
本作は、監督自身もファンであるというイスケルマというフィンランドのバンドのムード歌謡がたっぷりと散りばめら、それが本作の「雰囲気づくり」には、欠かせないアイテムにもなっていたようです。
やはり、素敵な(お気に入りの)音楽に浸れることは、日常の生活の中では、大切な要素なのだということなのででしょう。

(追記)
本作に登場する救世軍は、首都圏にお住まいのレビュアー以外には、なじみがなかったかも知れません。
(首都圏では、歳末の募金活動「社会鍋」でおなじみと思いますが、評論子も大学進学で首都圏に住むまで、知りませんでした。)
宗教団体(日本での位置づけは包括宗教法人)なのですが、現代社会での福祉水準向上のためには自らにも軍隊的規律が必要とのことで「軍」を名乗っているようです。
社会福祉活動としては、病院も経営しており、喘息持ちの評論子としては、都内在住の折は、杉並区内にある「救世軍ブース記念病院」に、よくかかってもいました(ブースというのはイギリス人の人名で、救世軍の創始者らしい)。
ドクターもナースも、もちろん院内では白衣姿なのですけれども。
しかし(今でもそうかは分かりませんけれども)その白衣の下は軍服姿で、襟には階級章が付けられていたのを、今でも覚えています。

<映画のことば>
演劇学校なら近くにある。
芝居なら、そこでやれ。

<映画のことば>
「待ってくれ。電話を一本かける権利はあるはずだ。」
「映画の観すぎだな。」

<映画のことば>
「カネは払う。死と同じくらい確実に。」
「払わなければ、どうせ死ぬことになるさ。」

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talkie

4.5ヘルシンキに着いたばかりの男性。強盗に遭い、記憶喪失になった話。 ...

2024年4月29日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

ヘルシンキに着いたばかりの男性。強盗に遭い、記憶喪失になった話。
名前すら分からないことで、周囲と騒動になったり、時には良い関係になる場面もあったり。
もめ事もありながら、前向きなほうに進んでいたり。

過去を知る方 (元妻さん)から見て、まったく異なる人格者になられたのですね。
とても品よく描かれて、楽しめました。

列車内で、日本酒と和食が供されたり、クレイジーケンバンドの歌が聞こえたりもして、イイね!でした。

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woodstock

3.0独特な大人のラブストーリー!?

2024年2月29日
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鑑賞方法:VOD

本監督の評判を聞き付けて鑑賞。
うーん、独特過ぎる…嫌いではないが…うーん、結局どうしても独特過ぎてビミョーとしか言えない…
作中の「かけ算」「ハンニバル」「寿司」はウィットに富んでいて悪くない。そのあたりは本当に笑えて二重丸。
本作は「敗者三部作」の二作目とのことだが、他二作も観てみようかな。
ところで…本作を観て名優蟹江敬三さんを思い出したのは私だけだろうか。

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いけい

3.5記憶を無くした男とイルマの関係だけでなくその他の人とのエピソードも...

2024年2月19日
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鑑賞方法:VOD

記憶を無くした男とイルマの関係だけでなくその他の人とのエピソードもとても面白い。

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Mr. Planty

4.0そうなのかぁ、、、

2024年1月26日
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鑑賞方法:VOD

幸せ

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Apollōn_m

2.0見た。

2023年12月31日
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2点。
記憶喪失の話。ややおネムになる。

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プライア

4.0アキ史上最高傑作。

2023年12月26日
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鑑賞方法:VOD

労働者三部作、敗者三部作を経ての、今作。
いろんな要素が凝縮されている。
ラストシーンは涙なしには観られない。秀逸。

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ラーメンは味噌。時々淡麗醤油。

2.5カウリスマキ分からない

2023年11月11日
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鑑賞方法:VOD

アキカウリスマキ監督の良さが私には分からない。

90年代あるいは80年代の映画かと思ってたら
2003年!
カット割や構図もシンプルだし、寄りの絵が多いので
舞台観劇でもしてるかのようだった。

楽しみ方としては、
この男の正体は一体?と言うところがあると思うのだけど、そこも割と簡単に解決してしまう。

ファンタジーぽい設定から社会問題への喚起に繋がって
行くと思うのだけど、冷静な台詞回しや落ち着いたキャラが多くて見方がよく分からなかった。

と同時にこう言う映画を良かったと思える人になりたい
とも思いました。

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奥嶋ひろまさ

4.5逆らわない人生

2023年9月27日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

幸せ

主人公はヘルシンキに出てきて直ぐに暴漢に襲われ、瀕死の重傷を負うとともに記憶を失ってしまう。
病院で死亡宣告されるが、なんとか抜け出し、コンテナで暮らす貧しい一家に助けられる。
怪我は治るが、記憶は戻らず、救世軍の世話になるが、そこで気になる女性と知り合う。
いろんなことが起きるが、この主人公、決して逆らうことはしない。
人間の幸せって、流れに任せたほうがいいのかも。

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いやよセブン

4.0不機嫌なおじんおばん

2023年9月26日
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鑑賞方法:VOD

無表情なおじさんおばさんの希望のない毎日が少しずつ変化していくのを抑えた抑えた動きで積み重なっていくだけの映画なんだけど、なんでこんなに面白いのか。
後半にはそれを観ているだけで何故か笑けてくる不思議さよ。
視線のあっち、こっち、カメラのこっち側、と変化していくのも気持ちいい。
まずそうに吸うタバコ、味がなさそうなスープ、酔わなそうなビール、どれも何故か心に残る。
堪能しました。

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あした

5.0『この世では神の慈悲ではなく自力で生きねば』

2023年9月21日
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マサシ

4.0人生やり直し

2022年9月19日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

幸せ

アキ・カウリスマキの『浮き雲』に続いて本作はフィンランド三部作?敗者三部作?の二作目でもあり、記憶を無くした男というあらすじがハル・ハートリーの『愛・アマチュア』を想起させられる内容でもある。

悲惨な状況に陥りながらも悲観的にはならない、基本的に周りの人々の優しさに支えられ観ている側も一安心、悪は成敗され都合が良い気もするが単純な程にハッピーエンド、そんな終わり方が素晴らしいと思える感覚とそれぞれの登場人物が素敵で人情に癒されたり。

寿司を食いながらクレイジーケンバンドの「ハワイの夜」が流れる唐突さが可笑しくも衝撃的で「MottoWasabi」って曲も日本贔屓なアキ・カウリスマキのセンスが最高。

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万年 東一

4.5【アキ・カウリスマキ監督が、当時のフィンランド不況を背景に、ぶっきら棒ながら心優しき人々が”過去を失った男”を支える姿が心に沁みる作品。今作は微かな希望と人間の善性を描いているのである。】

2022年9月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

泣ける

知的

幸せ

■夜行列車でヘルシンキにたどりついた男性(マルック・ペルトラ:荻上直子監督の「かもめ食堂」で、”コピ・ルアック”と言いながら、美味しい珈琲を入れるおじさんですね。)は暴漢に襲われ、意識不明の重体に陥る。
 病院に担ぎ込まれ、一度は死亡宣告を受けるが、奇跡的に息を吹き返して病院から脱走する。
 男性は港湾地区で行き倒れとなっていたところを、貧しきコンテナに住むニーミネン一家に助けられ…。
 そして、キリスト教プロテスタントの慈善団体”救世軍”にも、炊き出しや衣服の提供を受ける。

◆感想

・今作は、私の勝手な感想であるが、アキ・カウリスマキ監督の人間性肯定感が、抑制したトーンで描き出された秀作であると思う。

・派手な演出は、アキ・カウリスマキ監督作品であるので一切ないが、ヘルシンキに”ある事情”で
でて来た男(マルック・ペルトラ)が暴漢に襲われ、記憶を失いつつも、彼をサポートするコンテナで暮らすニーミネンであったり(彼は、貧しい中、男にビールを奢る)、コンテナを提供する警備員であったり・・。
ー 皆が、全面的に男を支える訳ではなく、”条件付け”で支える処も、良いのであるなあ・・。-

・銀行強盗に入った男に巻き込まれるシーンなども、その男が当時のフィンランドの不況ゆえに仕方なく行った事をさり気無く描くアキ・カウリスマキ監督の視点も良い。
ー 彼の名監督は、当時の自国の状況を”負け犬三部作”で世に問うた訳であるが、自国の政府に対する怒りを、オフ・ビート感溢れる作品にしたことで、絶妙にカムフラージュしているのである。-

・そして男が出会った”救世軍”(キリスト教、プロテスタントの一派)で炊き出しをしていた女性イルマ(カチィ・オウティネン:アキ・カウリスマキ監督の、作品には欠かせない方である。)。
ー 最初は、素っ気ないが、徐々に惹かれて行く二人の姿。ー

<今作には、確かな人生の希望がある。そして、アキ・カウリスマキ監督の、人間性肯定の姿勢も全面に出た秀作であると、私は思う。>

■今作公開後に制作、公開された、荻上直子監督の「かもめ食堂」は、”絶対に今作に影響を受けてる!”と勝手に思っている作品でもある。

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NOBU

4.0バンドのシーンがシュールであったかくて最高

2021年8月15日
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不器用だけど最小限で適格な台詞まわしと、間に差し込まれるシュールなシーン。なんだか癖になるリズムで後に残る余韻が素晴らしい映画でした。

記憶喪失で自分が分からない事態も去る事ながら社会的に身元が保証されない人がいかに生活が難しいのか、ブチ当たる問題をまざまざと見せつつもけして暗くならずに淡々と次に進んでいく。
受け入れて次に行く、世の中に翻弄されているだけなのだけど主人公の不安ながら肝の座った表情と背筋の伸びたシルエットがそう思わせるのか振り回されている様でいて選択してそこにいる様な雰囲気が印象的でした。
こんな社会でも幸せを感じる心までは持って行かれないぞって反骨精神さえ感じる。

周りの人の温かさが沁みます。当たり前の様に力を借りる事って悪い事じゃないなって。
犬のハンニバルとご都合主義な管理人?のおっちゃんもだいぶ好き。
クレイジーケンバンドが馴染みすぎてて暫くするまで気づかず。えっ?日本語?しかもハワイの歌?ってなっちゃった。

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てけと2

4.0独特

2021年3月8日
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鑑賞方法:DVD/BD

幸せ

萌える

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yolanda

3.5おもしろい・・・たぶん(笑)

2020年12月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

やっとアキ・カウリスマキの良さがわかった・・・たぶん(笑)
風景は「靴みがき」と
音楽は「レニングラードカウボーイ」と
そして女優
すべてのカウリスマキ作品に出演する カティ・オウティネンの
まったく魅力的でない魅力(!?)
心もあったまったよ・・・たぶん(笑)

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mamagamasako

5.0ハワイの夜

2019年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 踏んだり蹴ったりの男。これから何もかも無くし、絶望の淵に追いやられるのか・・・いや、そうではない。彼は必死に前を向いて歩いていた!明らかに人生の希望を持って。

 実に後味がよい映画だった。過去を気にせず現在と未来だけを見据える姿勢の人生訓、ホームレス問題を抱える社会派映画、そして「愛」。特に気に入ったエピソードが、元零細経営者のおじさん!彼は銀行強盗に入るのだが、その理由が泣かせてくれます。現実の経営者にもこのくらい愛情たっぷりの人がいてくれたらと切に願います。

 主人公の男は無口なため、台詞が唸らせるほど的を得ていたり、フランス風の小粋な比喩表現であったり、時には笑わせてもくれました。何とも渋いキャラクターなんだ!

 ラスト近くで日本人のためのファンサービスか、「ハワイの夜」(byクレイジーケンバンド)が流れ、寿司を食べるシーンがあるのだが、これは必然性を感じない。しかし、頭の中にこのメロディーが焼きついてしまった。

 見所は、男の記憶を確かめようとするシーン!「これは?」「灰皿」「これは?」「吸殻」「8×8は?」「61」「違うだろ。。。72だよ」

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kossy