「板門店で誰にも知られずに友情を育む4人の男の物語。実際の話としては...」JSA supersilentさんの映画レビュー(感想・評価)
板門店で誰にも知られずに友情を育む4人の男の物語。実際の話としては...
板門店で誰にも知られずに友情を育む4人の男の物語。実際の話としては4人のとっていた行動はあまりにも軽率すぎるとも思えるけど、国境を越えた友情物語としてとても考えさせられる話だった。
苛烈な独裁体制のなかで、しかも徹底した洗脳教育があるなかで、南北の和解というのはとても難しい状況にあるのは事実。だとしても両国ともに、平和的な統一を求めているのもまた事実なのだろう。小競り合いが本格的な衝突に発展しないこと。それが何より重要で、それは現実の状況とも重なる。
休戦の緊張状態がいよいよ戦争の局面を迎えるかもしれないという昨今の状況、悪い国家は滅ぼせばいいという安易な考えで、方法としての戦争に訴えるということがなにを意味しているのか、日本に住む僕たちは改めて考えなくてはいけないだろう。
独裁者がいかに偽善的で、いかに凶悪なものであったとしても、勇ましいだけの戦争論には明確にノーを突きつけるべき。体制の転覆や民主的な国家体制への移行だけでなく、半島の平和的な統一がなされた後に想いを馳せても、分断がもたらした両国の溝を埋めていく作業が困難を極めることは想像に難くない。考えるべきことはたくさんある。
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