「DVDにあった特典映像のほうがおもしろかった」ヒューマンネイチュア あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)
DVDにあった特典映像のほうがおもしろかった
2001年アメリカ映画。96分。今年8本目の作品。ジャケット借りしたもう一本の作品で、製作は「マルコビッチの穴」の監督スパイク・ジョーンズ、脚本は「穴」や「エターナル・サンシャイン」のチャーリー・カウフマン、監督は「エターナル・サンシャイン」のミシェル・ゴンドリー。映画通ならこれだけで本作がかなり変わったものになることが覚悟できます。
内容は;
1、猿嫌いの科学者の男は、ホルモン異常のおかげで体が体毛だらけになった作家の女と恋に落ちる(女は脱毛サロンに通っている)。
2、二人が森にデートすると猿人間に遭遇し、科学者はこの猿人間を捕獲して「人間」に変える実験をして富と名声を得ようと企む。
3、その実験に最初は協力していた女だったが、途中から猿人間を森に帰してあげたいと思いはじめる。
題名が示唆するとおり、これは「人間らしさ」とは何なのかをモチーフにした作品。それが何なのかは書きませんが、個人的にはそれを知ってちっとも面白くなかったです。「人間とは?」という命題は、わたくし個人にとっては「どうでもいい」類にはいる問いです。
となると、その描き方に意識が集中するのですが、これがまた退屈。複数の人間ドラマを交錯させ、恋だの憎しみだのをコメディタッチで描き、その行き着いた先にあるのは平凡なメッセージ。
ただし、一つ思ったのは心理学でいう「オペラント条件付け」を駆使して猿人間に餌とムチを与えながら人間に変えていく描写を見ていると、人はあっさり変えられるだろうなということでした。
しかし、本作全体に流れるいたずらなまでに嫌世的な作風は子供じみているとしか思えないほどにまったく色気がない。だから、途中からは笑わそうとしている所でも笑えなかったです。
でも、特典映像にあるミシェル・ゴンドリーの短編映画集はかなりの必見ですよ。