「やっぱり凄い」七人の侍 百万両さんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱり凄い
(20251106TOHOシネマズ新宿)
ロートルの豪傑に突如降りかかった無理難題の不可能プロジェクトX…
仮に東京在住だとすると要は信州あたりの見ず知らずの人里離れた山村に行って死ぬ気で働いて(無給で)、なんなら死んでくれって話。
いくら情にぼだされたからといってそれ引き受けるのか?!やめとけ島田勘兵衛!
挙句の果てに智力体力使い果たして勝ったからって残るものなし。またトボトボ東京まで帰って待ってるのはその日暮らしのカツカツ生活。
しかしまた同じような頼み事があったら思わず引き受けちゃうそんな男、島田勘兵衛(とその仲間たち)…。なんと破天荒でなんと清々しい…。
勘兵衛登場/馬喰渾身のナイスアシスト/侍オーディション、 特に平八/版木を打ったのは誰だ?/百姓はどうすりゃいいんだ!/己のことしか考えないやつは己をも滅ぼすやつだ/平八の旗/勝負はこの一撃で決まる!他戦闘シーン
数年世界の映画を見まくってもほぼお目にかかることのない映画史上屈指の名場面が少なく見積もっても8っつもある…。そしてそれらがそれぞれストーリーと絡みまくって相乗効果で破壊力5倍増。
今まで生きてきてこんなに短い座ってるだけの3時間32分って他にある!?
(20220415TOHOシネマズ日本橋)
やっぱり凄かった…
リマスター版は3回目だが、とにかく「セリフがわかる」。
「以前」は8割何を言ってたかわからなかった三船のがなり声の内容が9割わかるようになった。(いや正味の話、)
そうすると何が変わるかって言うと、今まで主に後半の合戦シーンに圧倒されて高評価してたのが、実は前半の密度の濃さ、面白さ、ドラマティックさがもの凄い破壊力であることがわかってくる。
(馬喰が百姓の肩を持つシーンなどは映画史上に残る名場面だと思っている。)
勘兵衛他どのキャラクターも魅力的だが、特に菊千代。
百姓と侍のハイブリットである彼の存在はこのストーリーにおいて不可欠なものだった。
まあ理屈はともあれ3時間を遥かに超える尺があっという間。こんなの見るとホントに「面白さ」に「古い新しい」は直接関係ないと痛感する。
新文芸坐さん、ありがとうございました!
