「孤独な脱出劇とちょっと都合の良い結末」エネミー・ライン Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
孤独な脱出劇とちょっと都合の良い結末
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総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 70
演出: 75
ビジュアル: 75
音楽: 60
敵地で追跡される緊張感と迫力はなかなかいい。アメリカ軍の行動がいいかどうかは別にして、ひどい虐殺があった事実を映画の主題として取り上げるのも良い。必ずしも条約違反を支持するわけではないが、現実問題として合法活動だけで非合法なことをしている相手に対応しきれないということもあるだろう。世の中奇麗事だけで成り立ってはいないのだ。
最後の戦闘の場面はちょっと単純にアメリカ側に都合が良すぎるように感じた。実にいいタイミングで救援が現れるし、装甲車を何台も配備した部隊に戦闘ヘリでもない通常の武装ヘリ3機だけで攻撃して特に損害もない。でもこれくらいは映画の演出として大目にみなければ話が盛り上がらないかな。
だがジーン・ハックマンが命令を無視して部下の救援に向かい、結果的に艦隊司令官を解任されるというのはまだ映画の物語として救いがある。昔のアメリカ映画だったら、命令無視したけど結果が良かったからお咎めなしで済みました、とかになりそうだから。時にはそういう行動が必要なときもある。だがそれには責任が伴うのである。ちなみに実際にセルビアでF117が撃墜されたときには、映画とは反対に国家をあげて全力でアメリカ軍はパイロット救出に向かい成功しました。だからこのような救出劇もあり得ないことではなくむしろ当然かもしれません。
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