「深い精神性を追求した浅薄な映画」エレファント Ezy Ryderさんの映画レビュー(感想・評価)
深い精神性を追求した浅薄な映画
「コロンバイン事件からインスピレーションを受けて作りました」なフィクション映画。同じテーマを扱った映画なら、マイケル・ムーアの『ボーリング・フォー・コロンバイン』はドキュメントで、起こった事実を取り上げて、社会的結論を求めてるので、正攻法な姿勢。
こっちはフィクションなので変化球。マリリン・マンソンの楽曲云々からだろうけど、実際の事件と何の関係もない「ベートーヴェンの曲」が登場したり、犯人は「恋愛もマトモに云々~」と「深い考察でしょ」の押し付け、「思考してまっせ感」の押し売り。
いずれにせよ、実際の事件と無関係な話やし、監督のオッサン「抽象的な部分を入れたのは、観客に事件について考えさせる余地を残したかった」とか言ってるけど(—お前は万物創造の神か?)、実際の事件について考えさせるなら、尚更、事実と無関係な話(フィクション)を付加すべきではないし。
ガス・ヴァン・サント、『誘う女』だと、恐ろしく表層的な浅い思考回路の映画を作っていたけど、他を観ても「良い映画」と思った試しがない。Nirvanaのカート・コバーンをテーマにしたのも、酷かったし。
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