ドラムライン : 映画評論・批評
2004年4月1日更新
2004年4月10日よりシネクイントほかにてロードショー
全編にビートとリズムがみなぎるミュージカル格闘技
全編にみなぎるビートとリズムに一発でKOを食らった!(バッキンガム宮殿の衛兵、あるいはアース・ウインド&ファイアーみたいなゴテゴテしたユニフォーム姿の)マーチングバンドが実にカッコイイのである。目にも止まらぬ早さのスティックさばき、連打されるスネアドラム、ロボティックな動作、アクロバティックかつエモーショナルなダンス。マーチングバンドの花形“ドラムライン”同士によるバンド合戦は、一触即発、丁々発止、ケンカ寸前の緊張感があって、もはやミュージカル格闘技である。
ストーリーラインは、天才的なマーチングドラマーの主人公の成長をつづっていく。栄光、挫折、そして再び栄光へ。セクシーな美人チアリーダーとのロマンスもあり、チーム内で覇を競うライバルがいる。熱血鬼コーチやライバルの存在が主人公を立ち直らせる。とまぁ、「巨人の星」「あしたのジョー」「エースをねらえ!」といったスポ根物語の定石をたどる。監督のチャールズ・ストーン3世は、些細な心理描写をうっちゃって、一本どっこにビート(情感)を刻み続ける。簡潔で見事だ。
ホーンセクションの効いたブラックミュージックが耳に心地いい。この映画のおかげでフットボールのハーフタイムショーを見るのが至極楽しみになった!!
(サトウムツオ)