「それが彼女に起きた真実とは限らない」ザ・バニシング 消失 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
それが彼女に起きた真実とは限らない
飛び降りる事を「想像」する。
誰が飛び降りないと決めた?
飛び降りてみなければ分からない。
普通はしないであろう事を想像する。
何故、それは「普通しない事」なのか?
「それをしない」のは「危険」だから。
「危険」か否かは、してみなければ解らない。
だから「する」。
普通は人を殺さない。
何故か?
人を殺せば我が身にも不利益が及ぶリスクがあるから。だから普通は殺さない。誰が決めた?殺してみなければ分からない。だから殺した。
レイモンに倫理は通用しない。まず、16歳のレイモンは、本当に自らの意思でベランダから跳んだのかさえ疑ってしまう。全てがレックスを「嵌めるための詭弁」で無い保証は?全てがフェイクかも知れないとは思わないのか?劇中、レイモンの表情を見ていると脳裏に浮かぶ疑問が怖い。
永遠に私を一人にしない事。浅く埋めた2枚のコイン。山荘の土中、プレゼントされたライターで酸素を浪費するレックス。これじゃ、まるで呪いじゃないか。
いずれにしてもレイモンのサイコパス振りが忌まわしい。考える力を自らの感情で流し去ってしまったレックスが惨め。真実を知った、その先の事など、何も考えていなかったのですか?真実を知った時、そこで自分自身にどんな感情が生まれるのか、考えなかったのですか?
リメイク版含めて初見。キューブリックは名作と評したそうですが、マジか?
胸糞悪い心理劇は、1988年の作品。レックス達が乗ってたプジョー、古過ぎるよ。ってのは置いといて。なんか、マジ胸糞悪い。何が胸糞かって言うと、レックスの自己陶酔型思考 without 知性が。これは何かの暗喩ですか?
俺ならコーヒー飲まない。警察へも行かない。時間を掛けてレイモンを研究し、復讐します。
細かいことが気になる悪い癖だけ右京さんと共通なんですw
bloodさんのレビュー、簡潔で鋭いですよ!Rexが自己陶酔型なら人格障害対決だったのかしら😅?と参考になりました。
あと、T34の追記、ありがとうございました!!!