ドクター・ドリトル2のレビュー・感想・評価
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吹替声優の違いで印象が変わると実感!
「ドクター・ドリトル」シリーズ第2作。
「カンテレ Cinema Paradiso」を録画して2回目の鑑賞。
吹替の違いで随分印象が変わるんだなと思いました。
本作を初めて観たとき、エディ・マーフィーの声は下條アトムが担当していました。コミカルなシーンがコミカルに聞こえず、ミスキャストじゃね? ―と思いました。それに伴ってなんだかストーリー自体も面白くないように感じられて、長い間もう一度観ようという気が起こりませんでした。
今回観た吹替は山寺宏一バージョンでした! 個人的にエディ・マーフィーの吹替と云えば山ちゃんだよなぁ、ということもあったのかもしれませんが、とても笑えたし、楽しく面白く鑑賞することが出来ました。セリフ回しのセンスが抜群だし、絶妙な声音と掛け合いがたまりませんでした!(笑)
1は次女マヤ、2は長女シャリースへのメッセージ
2作目、ドリトル先生の周りは春爛漫。
長女のシャリースは思春期で彼氏ができているティーンエイジャー。
製材会社による森の伐採を止めるために絶滅危惧種のクマの子孫を作るべく、サーカスのクマは男気を得ようと奮闘。
そのためにドリトル一家は森にキャンプに来たら、愛犬ラッキーは野生のメスオオカミに夢中に。
1作目は、興味を持てるものがあるって素晴らしい事なんだというテーマを感じたが、2作目は、
「外聞よりも自分の中の声を大切にしよう」
というテーマを感じた。
16歳で家族と誕生日なんてダサい、動物と話せる父親キモい、と言い放つシャリースだが、実は動物の声が聴こえる才能が開花していて、無視したい衝動に駆られている。
サーカスにいたクマは、三輪車に乗り音楽にノッて人間を湧かせていたが、魚を獲ったりメスと過ごしたりという本能の目覚めを自覚する。
ドリトル先生は、医者と動物の診療の二足の草鞋に奔走。考えてみれば動物達から医療費は頂けないから医者は辞められないわけだが、もう外聞は気にせず、製材会社を裁判で相手取り、伐採される森を助けてというビーバー達の声に耳を傾け行動する。
サーカスのクマを野生の熊に戻すトレーニングは、側から見れば滑稽でも、授かった力をなにかを救うために活かすのは素晴らしいことだと思う。
そして、使命を果たさねばという義務感よりは、何かできるならしたい、無視できないという気持ちに突き動かされているのがとても素敵。
奥さん、弁護士だったのか!と驚愕。
エリート夫婦だったのね。
奥さんも活躍し、夫婦で伐採の中止を目指すわけだが、反抗しつつも様子を見ていたシャリースもついに動物を助けたいという意志を持つ。
背中を見せなきゃ子供はついてこない。
そして親自身が内なる声に突き動かされて誰かのためにイキイキとしている姿は何よりのお手本になる。
そんなことを教えてくれる作品。
とても人間臭い動物に振り回されるエディ・マーフィー
総合:75点
ストーリー: 65
キャスト: 75
演出: 75
ビジュアル: 70
音楽: 65
エディ・マーフィーが動物と家族のために奮闘するお父さんにすっかりなりきる。前作同様に物語は単純で健全そのものな家族向け映画。だが相変わらず動物たちは一筋縄ではいかなくて、アイスクリームが好きで冬眠を嫌がるサーカス育ちの熊とか、今回登場する動物たちも人間以上に人間臭くてしかも駄目なやつらが多い。彼らの前ではエディ・マーフィーは振り回されっぱなし。そのような彼らの態度と言葉遣い、そして面白おかしい物語をお手軽に楽しめる。登場する家族も素敵な家族である。
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