ドクター・ドリトル2 : 映画評論・批評
2001年7月16日更新
2001年7月21日より日比谷映画ほか全国東宝洋画系にてロードショー
今度のドリトル先生はサーカス熊と「ロッキー」する!
![画像1](https://eiga.k-img.com/images/review/1207/dolittle21.jpg?995276958)
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若い頃は、危ない話芸でならしたエディ・マーフィーだが、最近はすっかりポリティカル・コレクトな俳優に変身。この映画も<自然保護>や<家族愛>をテーマに掲げ、家族全員が楽しめる作りとなっている。
前作で動物とのコミュニケーション能力を発見したドリトル先生は今回、動物の自立をサポートする役目。なので実質的な主役は、サーカス熊のアーチーだ。メジャー志向のある彼が「プーさんより有名になれる」のひと言で、森の生活に挑むが、しょせんは都会育ち。川で溺れるわ、図体はデカいのに寂しかり屋だわ……。ほかの動物たちからもバカにされるダメ熊をドリトル先生が「ロッキー」のトレーナーよろしく鍛える過程が笑える。アーチー役のタンク君はじめとする動物アクターの芸達者なこと。見てるだけでも心が和む。ちなみに私のお気に入りは、アライグマのジョーイ。「ゴッドファーザー」 に登場するチンピラみたいなブルックリンなまりがチャームポイントだ。
もちろんCGを駆使した動物の活躍に物語が終始するわけではない。人間ドラマでは、動物の気持ちがわかっても思春期に突入した長女の心が理解できないドリトル先生の悩みが語られる。
どちらの問題もしっかりと解決するし、見終わった後の満足感は前作以上。今後も長く続いてほしいシリーズである。
(山縣みどり)