「【ホウ・シャオシェン監督が生誕100年の小津安二郎にオマージュを捧げた、小津安二郎も苦笑しただろう現代東京の多くの列車からの車窓風景が印象的な作品。】」珈琲時光 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【ホウ・シャオシェン監督が生誕100年の小津安二郎にオマージュを捧げた、小津安二郎も苦笑しただろう現代東京の多くの列車からの車窓風景が印象的な作品。】
■東京で一人で暮らす陽子(一青窈)。
彼女は台湾にいる教え子でボーイフレンドの子を妊娠したが、その男が頼りないのでひとりで生んで育てると決めていた。
マイペースに生きる陽子だが、彼女を気遣う両親(小林稔侍、余貴美子)は心配そうだが、多くを語らない。
陽子は行きつけの古本屋の亭主(浅野忠信)とも、交流があり喫茶店で何気ない会話をするが、特に進展はない。
◆感想
・不思議な映画である。ストーリーは上記の通りだが、ドラマティックな展開はない。娘の妊娠を聞いた父親も、ちゃぶ台返しをするのかと思ったが、娘が帰郷して喜んでいたのが、ションボリしてしまっている。という姿を小林稔侍が、哀愁の背中で魅せる。
・台湾にも勿論、列車は走っているが、東京程多数の電車が走る光景に、ホウ・シャオシェン監督は驚いたのであろうか。
とにかく列車からの車窓の風景や、列車内の姿が映される。今にように全員がスマホを見ているような、気持ち悪い景色ではない。
どこか、ノンビリしているのである。
<今作は、ホウ・シャオシェン監督が生誕100年の小津安二郎にオマージュを捧げた、小津安二郎も苦笑しただろう現代東京の多くの列車からの車窓風景が印象的な作品。>
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