シンデレラマンのレビュー・感想・評価
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歯を落としちゃった・・・今度はマウスピースも落としちゃったよ・・・タイトル戦まで落としちゃったらどうしよう・・・
「アカデミー賞最有力候補!」などというキャッチフレーズが付いてしまうと、ちょっと引いてしまうものだ。しかも実話である。一昨年の『シービスケット』を思い出してしまうし、オスカー俳優を揃えているところも賞を狙っている感が強い(注:馬じゃなくて亀人間ドラマです)。さらに、1930年代の世界恐慌によって、失業者が増大した時代設定。その上、『ミリオンダラー・ベイビー』と同じくボクシングの映画だし、主人公ジェームズ・ブラドックはアイリッシュなのです。しかし、映画はそういった先入観をもって観てはいけない・・・
失業者が1500万人を超えたアメリカ。映画『シービスケット』では25%の失業率と言っていたほど酷い経済状態。鬱憤を晴らそうにも禁酒法によって、貧乏人には酒が飲めない時代だったのだ。ライセンスを奪われ、ボクサー生命を絶たれたジミー(ラッセル・クロウ)の一家も辛酸をなめる生活を強いられ、やがて電気も止められる。こうした大恐慌時代や失業者増大を描く映画が多くなってきているのは、歴史が繰り返すのじゃないかという不安、そして現代社会への警鐘の意味も含んでいるのではないでしょうか。「痛みに耐えろ」といった意味の台詞もあったように、似たような時代にならないかと心配になってきました。
そして、アイルランド系のジミーのように移民が真っ先に職を失う。マイク(パディ・コンシダイン)もアイリッシュだったのだろうか、『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』と同じような役だった。ボクサーとして再びチャンスを掴んだジミーとは対照的に、マイクは労働組合を作ろうとして災難に巻きこまれてしまった。実は、シンデレラ・ストーリー、サクセス・ストーリーよりもこうした脇のストーリーに泣けてしまいまったのです。
もうひとつは、マネージャーでもあるジョー・グルード(ポール・ジアマッティ)。ジミーの妻メイ(レネー・ゼルウィガー)が彼の豪華なアパートを訪ねたエピソードで涙してしまい、終盤まで涙が残らなくなってしまいました(実際はそんなに流してない)。力だけが全てではなく、彼のように親友を信じる男意気のような行動も未来を支えているのでしょうね。
満点評価したかったのですけど、マイクのやろうとしていた労働組合の夢を崩されてしまったところに共感できずに減点。弱い人間にも生き残るチャンスを与えてほしい・・・
【2005年9月映画館にて】
苦しい愛の物語
感動的
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時は世界恐慌の時代。ラッセルは輝かしい戦績のボクサーだった。
ある時手を負傷したが、生活のため無理にリングに上がった。
が、慎重になり過ぎてしまい、無気力試合としてライセンスを剥奪される。
大不況で働き口も少ない中、日雇いの港での力仕事を始めた。
それでも子供3人のため金も無くなり、援助を受けたりもした。
そんなある日、セコンドで親友の男が試合の話を持って来る。
新進気鋭のボクサーの対戦相手が怪我をしてしまったが、
誰も代役として手を挙げないため、ラッセルを推してくれたのだった。
KO負けした事のないラッセルをどうKOするかという謳い文句だった。
協会も1試合限定でライセンスを戻す。
しかし大方の予想に反してラッセルは勝った。
これによりライセンスは完全に戻り、再度トレーニング開始。
これに不満を持ったのがラッセルの妻だった。
港での仕事でようやく細々と生きて行けるようになったのに、
再度ボクサーになりまた怪我をすると生活出来なくなってしまう。
こうして上記親友のところにどなり込むが、部屋には何も無かった。
家財道具全て売り払い、ラッセルに投資したのだった。
こうして妻も止める事を諦め、ラッセルは完全にボクサーとして復帰。
そして連戦連勝、ついにチャンピオンと戦う事になる。
このチャンプは試合で2人殺していたため、妻は感情的に止める。
下馬評も1ラウンドKO負けだったが、ラッセルは臆することなく参戦。
敵の執拗な反則にもめげずに試合を有利に進め、ついに最終ラウンドへ。
判定で勝ってるのでアウトボクシングをすれば良かったが、
セコンドの指示を無視して中に入り、打ち合いを演じる。
結果的に判定で勝利、チャンピオンとなる。
これまで怖くて試合を見た事がない妻も、最後はTVで応援してた。
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いやあ、すごい映画だった。
ロッキーと同じようなノリだが、また一味違った。
でも共通してるのはいいセコンド役がいるって事かな。
やっぱりボクシングはセコンドとの信頼関係で成り立っている。
それなくしては語れないってところかな。
これもまたボクシング映画の傑作
ボクサーとしての強さよりも、男して、父親としての強さが上回った! ...
とてもよかった
劇場公開時はプロモーションがなんだかお涙頂戴な感じで見に行かなかったのだが、フラットなトーンだったので素直に見ておけばよかった。何より試合がすごい迫力で面白かった。
お金がなくて電気を止められて、ゆかりの人々にお金をめぐんでもらう場面が切なかった。あんな切ない、いたたまれない場面は滅多にない。
何年も経っているのに子供が全然大きくならなかった。
ラッセル・クロウ版ロッキー。夫婦愛、家族愛の素晴らしさも共通してま...
打たれ強さ
大恐慌時代の世相がよく描かれていて勉強になりました。
かつては名の知れたボクサーだったJimが、家族離散を回避したい一心で、恥も外聞も無く、電気代のために知人に頭を下げて回り、福祉の世話になり、空腹のまま文字通り命懸けでリングに戻る姿は、ボクサーのイメージとは程遠く、ひたすら家族を養うために戦う子煩悩で愛妻家のパパでした。むしろ勝敗に拘ることが出来るのは、スポーツマンとして幸運なことなんだとも思えました。
リングでは、殴られても殴られても、とにかく倒れない、しぶといほどの打たれ強さを見せるボクサーという感じでした。
勝つに越したことないけれど、負けても生きて帰れ、取り敢えず生きて帰ってくれ…と奥さんと一緒に祈りながら観ていました。家族は生きた心地がしない職業ですね。
日雇いの仕事が思いのほか左手のトレーニングになっていたというのがリアルロッキー的です。誠実な人柄から人望も厚いのか、仲の良い家族、キレ者かつ思いやりのあるマネージャーに囲まれ、お財布事情以外は恵まれている方だなと思いました。
娘役の女の子が可愛かった。
Sara役は、Jimの実の孫娘だそうです。
大恐慌時代って本当に厳しかったんだね…
大恐慌時代に苦しむ人々の支えになった、ボクサーの物語。普段は痛そうで観ないタイプの映画ですが、ホロリと自然に涙がこぼれました。夫婦の物語としてもいいかも。子どもたちが微笑ましくホッとさせられます。個人的には満足の1本です。
アクションてきにも見応えあった。
ストーリーの冒頭は、現役絶頂期から始まり、そこからいきなりすっかり落ちぶれ、大恐慌による貧困生活へと話が変化する。その展開で一気に映画に引き込まれてしまいました。そこからの、貧困生活でも、時代が時代だけに仕方なさから切なさがあり、あるシーンで胸を打たれました。冒頭は暗いめのストーリーですが、主人公は常に前向きで、無駄な展開もなく、最後にはスッキリとした気分になれるような、飽きのこないシンデレラストーリーでした。これはオススメしたいような映画。
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