さらば、わが愛 覇王別姫のレビュー・感想・評価
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奔走される京劇
激しく、切なく、美しい愛の物語
久々に心底、「観てよかった」と思った傑作。
京劇「覇王別姫」を軸に、蝶衣・小楼・菊仙の愛憎劇と近現代の中国を壮大に描き、しかも見事にバランスが取れている。
レスリー・チャンが演じる蝶衣の性別を越えた美しさは奇跡的!「美しい」という形容詞では足りないほどの存在感‼
蝶衣の演劇でのパートナー・小楼への叶わぬ愛と憎しみ、小楼の妻・菊仙への激しい嫉妬、そんな自らへの絶望と苦悩。
そして時代や体制が変わっても失う事のない京劇への矜恃。
まるで人生や魂が「覇王別姫」の虞姫とリンクしていくようで圧倒される。
単純に、同性愛やボーイズラブと言う言葉では括ることができない格調高く、哀しい男たちの物語です。
愛憎劇
歴史的背景を理解していれば素晴らしい作品であろうが、私の頭では歴史についていけてない。
淫売女が子供を無理やり劇団に置いていく。
子供は厳しい修行という名の虐待を日々受けながら成長し、見事に主役を射止める。
京劇の女形。身も心も女になりきるうちに、兄と慕う覇王役に依存する。
見ているうちに男である事を忘れるほど美しい。
嫉妬に狂い、戦争に巻き込まれ、阿片中毒になり、まさに時代に翻弄させられ続けた人生。
京劇のラストシーンと同じ末路を辿ったであろうラストは見事です。
長い長い
じわじわとくる大作
蝶衣にとって、「京劇」と「小樓への愛」が人生の全てであった。
舞台の上で、側室である虞美人が項羽を愛することしかできなかったように、現実でも、他の女と結婚した小樓を愛することしかできない。
少年時代、運命を受け入れることを強いられ、初舞台で男色の餌食となってから、彼の男としてのアイデンティティーは崩壊する。
その帰り路に赤ん坊を拾い上げ、小樓と夫婦のように歩く姿は、男でもあり女でもある蝶衣を象徴しているように思えた。
レスリーチャンの、性別を超えた美しさは圧巻。嫉妬と高潔さが織り交ぜられた表情や、役者としての覚悟の深さは、セリフを必要としない。
めくるめく悲劇と裏切りの末のラストシーン。
時は流れ、蝶衣と小樓の関係は愛憎を超越している。子ども時代のセリフの言い間違えにグッとくる。
京劇が続けられない時代。これ以上自分から大切なものが失われないように、高潔な自分を守るための、蝶衣の最後の手段だと解釈した。
見ごたえのある長編
大好きな映画です。
小さな時に一度見ましたが、その時はストーリーがよくわからず
大学生になってからもう一度見ました。
レスリーチャンの美しいこと…!
当時レスリーチャンがすごく好きになり、調べ、もうこの世の人ではないことを知って
大変ショックを受けたことを覚えています。
京劇のシーンがしょっちゅう出てくるのもおもしろい。
ラストシーンも衝撃的です。
とても長い映画なので、根気はいりますが見て損はない作品かと思います。
久々フルに集中しての鑑賞
2023年4K版ということで久々の鑑賞でしたが、画質はそれ程グレードアップしている印象はありませんでした。それよりも、決して色あせることのない感傷的で壮大な物語は、改めて不滅だと感じた次第です。正直、見るのは辛すぎるので、─長いし・・・─、何度も見たいとは思えないんですが、結果的に結構鑑賞しているし、見る度にいい・・・と思ってしまいます。現代的な愛を扱っていながらも、歴史的な事柄をうまい具合に絡み合わせて、なおかつ京劇という題材が全面に出ている紛れもない中国映画、なのに生きるに過酷なこの社会を身につまされてしまう・・・もはや奇跡的な作品としか言いようがありません。見るれば見るほど感傷的になってしまう場面が増えるような気がして、容易に鑑賞しようとは思えない作品なんですが、何度見てもやっぱいいです。
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