劇場公開日 2023年7月28日

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「レスリーチャンの一挙一動に魅力された」さらば、わが愛 覇王別姫 いたかわさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5レスリーチャンの一挙一動に魅力された

2023年8月29日
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京劇養成所に入れられた小豆子。母に容赦なく捨てられたことから愛に飢えていたのだろう。だから、常に助けてくれる石頭への思いは慕うことだけでなく愛情へと変わるのも無理はない。
養成所でのあまりのスパルタっぷり、洗脳に近い上下関係は今では大問題。

スターとなった二人だが、恋敵のコンリーの登場と時代の変化に翻弄される。
レスリーチャンの妖艶さは異常。小豆子は役に取り憑かれていると言われるがレスリーチャン自身が取り憑かれているように感じた。
小豆子の視点で見てたから、コンリーに対して略奪婚しやがってとぇとヘイトが溜まっていった。しかし観ているうちに小豆子の脆さに寄り添う姿も見せ、一番人間らしくて最後は好感が持てた。

文化大革命での京劇の弾圧によって屈する姿は見ていてあまりに悲痛な気持ちになった。
激動の時代に翻弄されたどり着いたラストは役に生きた小豆子を見事に表現していてさすがと思った。

ちょっとシーンが急に変わってぶつ切りに感じてしまう部分もあったが、観て本当に良かった!

いたかわ