「この映画に出会った当時、京劇の煌びやかさにすっかり魅せられ本物の観...」さらば、わが愛　覇王別姫　お手紙食べるほうのヤギさんの映画レビュー（感想・評価）

この映画に出会った当時、京劇の煌びやかさにすっかり魅せられ本物の観劇にも出かけたりした。
今観ると、歴史的な背景であったり、京劇という文化がどのようにして時代を経てきたかということなどの違った側面に目を向けることができて、この作品に対する理解がより深まった気がする。
登場人物の心の機微についても以前より気づくことが多かった。政治によって価値観がくるくる変わる世の中に翻弄されながらも、変わらぬ信念と思いを貫こうとする主人公に心打たれたのはもちろんだけど、時代の潮流に押し流されて自分の価値観や誇りを捨てるしかなかった人間の悲哀も胸に迫るものがあった。