ブロークバック・マウンテンのレビュー・感想・評価
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重ねられたシャツが、ほかのどんな言葉より、二人の間の愛を表している...
結局名作
山と空
切なさの果てにあるもの
見るタイミング
愛と郷愁
ヒース・レジャーの出世作
何年か振りで再見。
最初に観た時にはどうしても主役二人に目が行ってしまったが、あらためて観ると、二人の妻をはじめ脇を固める役者も凄くいいことに気付く。
夫の心が自分にないことに耐えられずに離れていったアルマ、夫が何をしているのか知っているのかいないのか、最後まで知らぬ振りを続けたラリーン。共通するのは、二人とも夫を愛していたこと。
ジャックとイニスの関係は二人の妻も巻き込まざるを得ない。
しかし、周囲を不幸にしながらも二人が一緒になることは時代、保守的な土地柄が許さない。二人の雇い主アギーレは人々の目を象徴する人物だ。
そんな中、ジャックの両親は息子が本当に愛していたのはイニスだと知りながら、彼を受け入れる。彼等の出演シーンはわずかワンシーンだが少ないセリフで息子に対する愛情と二人の関係に対する許容を表現していてとても印象的だ。
イニスがジャックの実家を訪ねるこのシーン。ブロークバック・マウンテンに置いてきてしまった筈のイニスのシャツがジャックのシャツと重ねてハンガーに掛けてあるのをイニスが見つける。
「本当に好きだったんだなあ」
とこれ程雄弁に語るシーンを私は知らない。
ブロークバックマウンテン
3月3日に2014年のアカデミー賞が発表される。それにちなんで、今回は過去のアカデミー受賞作品を遡ってみる。
『ブロークバックマウンテン』は第78回アカデミー賞の監督賞を受賞した作品である。監督は「アン・リー」。彼は去年のアカデミー賞(第85回)でも『ライフ・オブ・パイ』で監督賞を受賞している。
『ブロークバックマウンテン』は鑑賞後、今までの映画には感じたことのない感情がこみ上げてきた。直後には自分の気持ちを整理できなかったものの、これは生涯のベストに入る映画であることを直感した。
殆どの映画は鑑賞の最中に演出が良いとか、詰めが甘いということを気にしてしまうが、『ブロークバックマウンテン』に関しては、自分がこの映画の"何"に魅了されているのか、最後まで理解できなかった。
おそらくそれは、ヒースレジャーの演技であったり、映像の美しさであったり、物語のテンポであったり、時代背景であったりするのだろう。
もちろんストーリーも素晴らしく、「自由」や「愛」について考えさせられる作品であることは間違いない。アメリカは自由の国だと言われているが、実際、あの"ブロークバックマウンテン"にある本当の自由とはかけ離れている。同性愛がばれてしまえば殺されてしまうし、大切な家族や愛する人をひどく傷つけてしまう。そのような時代、一線を越えてしまったイニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)の二人の感情、そして人生を鮮明に描き出している作品は、まさにアカデミー賞に相応しい。
しかし、それ以上にこの作品の秘めている力は大きい。"ブロークバックマウンテン"に憧れるイニスとジャック同様に、作品としての『ブロークバックマウンテン』に憧れる自分がいる。それは決して言葉にできない感情なのだ。母体回帰を願うような、人間としての本心を揺さぶられるような作品なのだ。
値札が付いたままの魚籠
一度劇場で鑑賞し、気になってもう一度DVDで
解説書も買ってあったのでそれの内容を確認
そしたら、作品の良さがだんだんわかった
作品を追っていくにあたり、
内向的なイニス側にたつか、
それより外向的(といっても複雑)な
ジャック側にたつかで
見かたがかわってくる気がする
どちらも妻・子供がいて
いわば不倫行為を行っているのだが、
男同士ということでそれは観客の目に
どういうことか美しく映る
自分の場合は断然イニスの側だった
いつも何かを抱えていて、
気持ちを押し殺すことが当たり前になって
好きなはずだった妻を大切にしきれない
”薄汚い”男なのであるが、
口数すくなくともあのまなざしで
どうしても、放っておけず
胸が詰まってしまう
自分視点ベストシーン3
1 建物の陰でむせび泣くイニス
2 妻に魚籠の値札で問い詰められるイニス
3 目頭をおさえて涙を流すイニス
(イニスばっかり)
男同士の恋愛もいいね、切ないけど
自分の居場所
イニスは居場所が欲しかった。
それは、多感な頃に貧乏に放り出されたからかもしれないし、
反発して自立心を養うだろう頃に両親を失ったからかもしれない。
傍目からも、自分でも、納得できる『幸福な典型的家庭』こそがイニスが作りたかったものです。
二人で暮らすというジャックの望みが叶ったとしても、イニスが心の底から求めるようなものではないし、
他人に害されるのではという不安にも悩まされる。
だからこそ劇中ではイニスは家庭を手放さなかった。
たった一年にも満たない、ひと夏の時間が酷く幸せだったため、その後の人生は思い出に費やされてしまう。
もう戻ることの出来ない楽園を思い続ける。
思いが通い合っていないわけではなく、現実が絡まり、ついに堪えられなくなっても身動きがとれない。
苦しいし、悲しい。
偏見を持たずに、一度は見るべきです。
美しすぎる愛
ただただ純粋な愛
同性愛者の存在を否定するわけではないが、男二人の性描写は気持ち悪くて鳥肌がたった。最初、この映画は自分には合わないと感じてしまった。
しかし、ブロークバック・マウンテンでの仕事を終えて二人が別々の道を生きていく中で、彼らの純粋無垢な想いが目には見えないはっきりとした形で伝わって来た。そして、その関係を知ってしまった妻が何とも居た堪れない。まだ同性愛が認められていないこの時代でそんな自分の夫の姿を見てしまった妻の想いもまた切ない。
この映画は男どうしの話しであるが、例えこれが男女の話しだったとしても同じだったと思う。この映画を通して伝えたかったのはただただ純粋な愛である。それは男だろうが女だろうが関係ないのだ。ブロークバック・マウンテンをただのゲイ映画と捉えるのは間違いである。
映画史上 これに勝るハッピーエンドはない。
HEATH演じるイニスの目がいい。JAKE演じるジャックの目もまた素晴らしい。この2人の俳優は、画面に目だけが大写しになっても、台詞もなくても、すべて「目」だけで、感情を表現できるのだろうと思った。
「BROKEBACK MOUNTAIN」。この映画は観るたびに感動が新たになる。けれど、同時に切なくもなり、また幸せにもなれる 類稀な映画だと思う。20年もの長い間、人目をしのんで逢瀬を重ねる2人。会うたびに別れる寂しさに胸をつぶされるジャックの気持ちがよくわかる。山で出会ったばかりの19歳の頃とは違う。イニスがジャックを愛していないわけはないが、彼はいつも「忙しい」「なかなか休みはとれない」「養育費とう言葉がおまえにわかるか?」・・・何を犠牲にしてもイニスに会いたいジャックには、すべてがわかっているからこその、せつな過ぎる言葉達。最後にイニスが出した手紙があんな形で戻ってこなくてももうジャックがイニスに会うことはなかったのかもしれない。こんな気持ちをかかえて、ずっと生きてゆけるのか?だから、胸にせまるラストシーン、これにまさるようなハッピーエンドってないと思った。
対象は別としても良質な恋愛映画
扱っている題材は男と男のラブストーリー。
それも1960年代のアメリカの片田舎なので、恐らく今よりも世間の風当たりは強い時代です。
夏の間、山奥でひつじの世話の仕事をすることになった主人公たち。
大自然に2人だけでの生活の中、それは酔って寝てしまった夜の出来事でした。
酒のせいなのか、刑務所の中と同じような理屈なのか
残念ながら僕にはその心境は全くもって理解不能(正直その描写には若干ひき気味…)でしたが、
とにかくそれが始まりです。
この2人の場合は劇中の「俺はカマじゃない」という台詞からも
今で言うトランスジェンダー(性同一性障害)とは違うようです。
のちに結婚して子供も生まれますし。
それでもお互い結婚生活を続けながら長きに渡って関係が続く2人。
お互いを特別に思い、たまに会って同じ時を過ごし、浮気には猛烈に嫉妬。
個人としての反応から伝わってくるのは男女の恋愛となんら変わらない切ない気持ち。
2人が同じ画面に収まってさえいなければ誰しもが普通に感情移入できると思います。
ただし、やはり表向きは家族を持ち真っ当な生活を送っている2人。
夫として、父として、男としての葛藤と、60年代の保守的な世間の壁がそこに加わってくるわけです。
つらい…。
そういえば昔、男女の間で友情の話題が上ったときにその感覚の違いを感じた事があります。
この年になると親友と呼べる友達はほんの一握りですが、
共通の時間を過ごし、たくさんの思い出を共有しているその仲間が本当に困っている時は
なんとかして力になってやりたいと思うものです。
これは家族とも恋人とも違う一種独特な感覚(男性なら分かってもらえるはず)。
個人的な見解ですが、この2人は生まれ持っての同性愛者ではないはずですので
たまたまあの山での一夜に事故(?)が起きたことで歪んでしまいましたが、
あれさえなければ本当は一生の親友になって男同士で酒を酌み交わしていたのではないでしょうか。
友情と愛情というのは紙一重なのかも知れないですね。
切ないストーリーもさることながら、アメリカの大自然の景色の素晴らしさもこの作品の魅力の一つ。
作品全体としては文句なく☆☆☆☆☆です。
※他サイトより転載(投稿日:2008/03/14)
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