「ヒース・レジャーの出世作」ブロークバック・マウンテン arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒース・レジャーの出世作
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何年か振りで再見。
最初に観た時にはどうしても主役二人に目が行ってしまったが、あらためて観ると、二人の妻をはじめ脇を固める役者も凄くいいことに気付く。
夫の心が自分にないことに耐えられずに離れていったアルマ、夫が何をしているのか知っているのかいないのか、最後まで知らぬ振りを続けたラリーン。共通するのは、二人とも夫を愛していたこと。
ジャックとイニスの関係は二人の妻も巻き込まざるを得ない。
しかし、周囲を不幸にしながらも二人が一緒になることは時代、保守的な土地柄が許さない。二人の雇い主アギーレは人々の目を象徴する人物だ。
そんな中、ジャックの両親は息子が本当に愛していたのはイニスだと知りながら、彼を受け入れる。彼等の出演シーンはわずかワンシーンだが少ないセリフで息子に対する愛情と二人の関係に対する許容を表現していてとても印象的だ。
イニスがジャックの実家を訪ねるこのシーン。ブロークバック・マウンテンに置いてきてしまった筈のイニスのシャツがジャックのシャツと重ねてハンガーに掛けてあるのをイニスが見つける。
「本当に好きだったんだなあ」
とこれ程雄弁に語るシーンを私は知らない。
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talismanさんのコメント
2021年12月26日
二回目鑑賞でジャックの家では、イニスのシャツの上にジャックのシャツが。持ち帰ったイニスはジャックのシャツを抱いているようにその上に自分のシャツを重ねて掛けていたことに気がつきました。永遠に一緒だよ。